動的項目コンポーネント

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動的に生成される項目コンポーネントがデフォルトです。実際どのデータセットでも,初めてデータセットをデータモジュールに配置して,データセットがデータを取り出す方法を指定して開いた場合,全項目コンポーネントは動的項目として始まります。項目コンポーネントが,データセットで表されるデータの物理的特徴に基づいて自動生成される場合,その項目コンポーネントは動的と言われます。データセットは基になるデータ内の各列それぞれに,1 つの項目コンポーネントを生成します。各列に作成される Data.DB.TField の下位コンポーネントは,データベースやプロバイダコンポーネント(TClientDataSet の場合)から受信した項目型情報によって決まります。

動的項目は一時的なものです。動的項目は,データセットが開いている間だけ存在します。動的項目を使用しているデータセットを開くたびに,データセットの基になっているデータの現在構造に基づいて,完全に新しい動的項目コンポーネントセットが再構築されます。基になっているデータが変更されると,動的項目コンポーネントを使用しているデータセットを次に開いたときに,自動生成される項目コンポーネントもそれに合わせて変更されます。

データの表示や編集に柔軟性を必要とするアプリケーションでは,動的項目を使用します。たとえば,データベース参照ツールを作成する場合, 各データベーステーブルに含まれる列の数と型はそれぞれ異なるため,動的項目を使用する必要があります。ユーザーとデータの対話のほとんどがグリッドコンポーネント内部で起こり,しかもアプリケーションが使用するデータセットが頻繁に変更されるアプリケーションでも,動的項目を使用すると便利です。

アプリケーションで動的項目を使用する手順は,次のとおりです。

  1. データセットとデータソースをデータモジュールに配置します。
  2. データセットとデータを関連付けます。これには,データソースに接続する接続コンポーネントやプロバイダの使用,およびデータセットが表すデータを指定するプロパティの設定が含まれています。
  3. データソースとデータセットを関連付けます。
  4. データベース対応コントロールをアプリケーションのフォームに配置して,データモジュールをフォームユニットの各 uses 節に追加して,各データベース対応コントロールをモジュール内のデータソースに関連付けます。また項目をデータベース対応コントロールに関連付けます。動的項目コンポーネントを使用しているので,指定した項目名がデータセットを開いたときに存在する保証はありません。
  5. データセットを開きます。

使いやすさを別にすると,動的項目は限定的です。コードを記述しなければ,動的項目の表示および編集のデフォルト設定を変更することも,動的項目の表示順序を安全に変更することも,データセットの項目へのアクセスを防止することもできません。データセットには計算項目や参照項目など追加項目を作成できず,動的項目のデフォルトのデータ型をオーバーライドすることもできません。データベースアプリケーション内の項目への制御と柔軟性を確保するには,項目エディタを呼び出してデータセット用の静的項目コンポーネントを作成する必要があります。

関連項目