UML 1.5 ユースケース図の定義

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ユースケース図は次のような状況で役に立ちます。

  • 機能(要件)の決定 -- システムを分析し設計を具体化する中で、新しいユースケースが見つかると、たいていは新しい要件が追加されます。
  • クライアントとのコミュニケーション -- 表記法が単純なため、ユースケース図を使用すると開発者とクライアントのコミュニケーションがしやすくなります。
  • テスト ケースの生成 -- ユースケースのシナリオの集合を元に、そのシナリオの一連のテスト ケースを作成できることがあります。


定義

ユースケースとは、アクターにとって観察可能な結果を得るためにシステムが実行するアクションのシーケンス群を記述したものです。 ユースケースは、システム全体の機能要件を表します。 ユースケース図では、システムが何を行うかを、外部の観察者の視点から記述します。 システムが行う方法ではなく、内容に重点を置きます。

ユースケース図はシナリオと密接に関連しています。 シナリオとは、人がシステムとやり取りしたときに何が起きるかの例です。

ユースケースの階層は、次のように設計します。

  1. 通常は、上のレベルから開始し、システムの中心となるユースケースを仕様化します。
  2. 次に、より細かいレベルの主なシステム ユースケースを決定します。 たとえば、取引を行うというユースケースをもっと詳細なレベルで見ると、顧客を入力する販売を入力するなどのユースケースが含まれる可能性があります。
  3. 必要なレベルまで詳細化したら、ユースケースを拡大または縮小して、システムのユースケース ビューのスコープや関係を把握する方法があると便利です。


サンプル ダイアグラム

以下に示すのは病院のシナリオです。

患者は、年に一度の健康診断の予約をするために、病院に電話をかけます。 受付係は、予約帳で直近の空いている時間帯を探し、その時間帯に予約を入れます。

ユースケースとは、1 つのタスクまたは目的に関するシナリオを要約したものです。 アクターとは、そのタスクに関するイベントを開始する人または物です。 アクターは、人または物が果たす役割にすぎません。 次の図は、病院の Make Appointment(予約をする)というユースケースです。 アクターは Patient(患者)です。 アクターとユースケースを結ぶ線は、通信関連(略して通信)です。

UML 1.5 ユースケース図

アクターは線で書いた人型です。 ユースケースは楕円です。 通信はアクターとユースケースを結ぶ線です。

ユースケース図は、アクターとユースケースとその間の通信を集めたものです。 次の例では、4 つのアクターと 4 つのユースケースを持つダイアグラムの一部としてユースケース Make Appointment が含まれています。 1 つのユースケースが複数のアクターを持つことが可能です。

UML 1.5 ユースケース図


関連項目