多層アーキテクチャの使用

提供: RAD Studio
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いくつかのテーブル間の複雑な関係がデータベース情報に含まれている場合や、クライアントの数が増える場合は、多層アプリケーションを使用するとよいでしょう。多層アプリケーションでは、クライアント アプリケーションとデータベース サーバーの間に中間層があります。このアーキテクチャを次の図に示します。

DBDARCH5.jpg

上の図は 3 層アプリケーションを表しています。データベース情報を操作するロジックは、別個のシステムつまり別個の層にあります。この中間層には、データベースとのやり取りを管理するロジックが集中しているため、データ間の関係の一元管理が実現されます。これにより、異なるクライアント アプリケーションで、データ ロジックの一貫性を確保しながら、同じデータを使用できるようになります。また、処理の多くを中間層に任せるので、クライアント プリケーションをより小規模にすることもできます。このようにクライアント アプリケーションが小さくなればなるほど、インストール、構成、保守が簡単になります。また、多層アプリケーションでは、データ処理をいくつかのシステムに分散させることにより、パフォーマンスを向上させることもできます。

多層アーキテクチャは、「同じアプリケーションでの別のデータセットへのクライアント データセットの接続」で説明したモデルとよく似ています。主な違いは、データベース サーバーに接続するソース データセットと、そのソース データセットとクライアント データセットの間の仲介役となるプロバイダが、どちらも別個のアプリケーションに移行している点です。この独立したアプリケーションは、アプリケーション サーバーと呼ばれます(時には "リモート データ ブローカ" とも呼ばれます)。

プロバイダが別個のアプリケーションに移行したため、クライアント データセットでは、ProviderName プロパティを設定しただけではソース データセットに接続できなくなりました。さらに、何らかの種類の接続コンポーネントを使用して、アプリケーション サーバーを特定しそれに接続する必要があります。

アプリケーション サーバーにクライアント データセットを接続できる接続コンポーネントには、いくつかの種類があります。それらはすべて Datasnap.DBClient.TCustomRemoteServer の下位クラスで、主な違いは、使用する通信プロトコル(TCP/IP、HTTP、DCOM、SOAP のいずれか)です。クライアント データセットを接続コンポーネントにリンクするには、RemoteServer プロパティを設定します。

接続コンポーネントでは、アプリケーション サーバーへの接続を確立し、ProviderName プロパティで指定されたプロバイダを呼び出すためにクライアント データセットで使用するインターフェイスを返します。クライアント データセットでは、アプリケーション サーバーを呼び出すたびに ProviderName の値を渡し、アプリケーション サーバーでは、その呼び出しを指定のプロバイダに転送します。

アプリケーション サーバーへのクライアント データセットの接続の詳細については、「多層アプリケーションの作成」を参照してください。

関連項目