ADO データセットの利用
ADO データセットコンポーネントは,ADO レコードセットオブジェクトをカプセル化します。このデータセットは,「データセットについて」で説明しているデータセットの共通機能を継承しており,ADO を使用してその機能を実装できます。ADO データセットを使用するには,この共通の機能について理解しておく必要があります。
データセットが共通に持っている機能に加えて,すべての ADO データセットには,以下の処理のためのプロパティ,イベント,およびメソッドが追加されています。
- ADO データストアへの接続
- 基になるレコードセットオブジェクトへのアクセス
- ブックマークに基づくレコードのフィルタ処理
- レコードを非同期で取得する
- バッチアップデートの実行(更新内容のキャッシュ)
- ディスク上のファイルにデータを保存
ADO データセットには以下の 4 種類があります。
- TSQLTable。1 つのデータベーステーブルのすべての行と列を表すテーブルタイプのデータセット。
- TADOQuery。SQL 文をカプセル化し,結果レコードが得られた場合はアプリケーションからそのレコードにアクセスできるようにする問い合わせタイプのデータセット。
- TSQLStoredProc。データベースサーバーで定義されたストアドプロシージャを実行するストアドプロシージャタイプのデータセット。
- TADODataSet。汎用データセットで,ほかの 3 種類のデータセットの機能を持っています。TADODataSet 固有の機能については,「TADODataSet の使い方」を参照してください。
メモ: ADO を使ってデータベース情報にアクセスするときに,カーソルを返さない SQL コマンドを表す目的であれば,TADOQuery などのデータセットを使用する必要はありません。このような場合は,データセットではなく単純なコンポーネントの TADOCommand を使用することができます。TADOCommand の詳細は,「コマンドオブジェクトの使い方」を参照してください。