パッケージとコンポーネントの操作 - 概要
パッケージは、アプリケーション、IDE、あるいはその両方で使用される特別なダイナミックリンク ライブラリです。実行時パッケージは、ユーザーがアプリケーションを実行する際の機能を提供します。設計時パッケージは、IDE にコンポーネントをインストールしたり、カスタム コンポーネントの専用のプロパティ エディタを作成するのに使用されます。単一のパッケージが設計時と実行時の両方で機能することが可能であり、設計時パッケージは多くの場合、実行時パッケージを呼び出すことで動作します。パッケージ ライブラリは、他の DLL と区別するために、.bpl(Borland パッケージ ライブラリ)という拡張子のファイルに格納されます。
他の実行時ライブラリと同様に、パッケージにはアプリケーション間で共有できるコードが含まれています。 たとえば、最もよく使用される VCL コンポーネントは、vcl というパッケージの中にあります。 デフォルトの VCL アプリケーションを新しく作成するたびに、そのアプリケーションで vcl が自動的に使用されます。 このようにして作成したアプリケーションをコンパイルすると、アプリケーションの実行可能イメージにはそのアプリケーション独自のコードとデータだけが含まれており、共通のコードは vclvcl290.bpl という実行時パッケージの中にあります。
. このようなパッケージ対応のアプリケーションが 1 つのコンピュータに複数インストールされている場合でも、必要な vcl290.bpl
は 1 つだけで、それがすべてのアプリケーションと IDE 自体で共有されます。
VCL コンポーネントは複数の実行時パッケージにカプセル化されています。一方、コンポーネントは IDE で複数の設計時パッケージにより操作されます。
アプリケーションを作成する際には、パッケージを使用してもしなくてもかまいません。ただし、IDE にカスタム コンポーネントを追加する場合は、それらを設計時パッケージとしてインストールする必要があります。
独自の実行時パッケージを作成して、アプリケーション間で共有することができます。Delphi コンポーネントを作成する場合は、それらのコンポーネントを設計時パッケージにコンパイルしてからインストールすることができます。
関連項目
- 64 ビット Windows コンポーネントを設計時および実行時に使用できるようにする
- コンポーネント作成の概要
- なぜパッケージを使用するのか
- パッケージと標準 DLL
- 実行時パッケージ
- アプリケーションでのパッケージの読み込み
- LoadPackage 関数を使用したパッケージの読み込み
- どの実行時パッケージを使用するか決定する
- カスタム パッケージ
- 設計時パッケージ
- コンポーネント パッケージのインストール
- パッケージの作成と編集
- パッケージの作成
- 既存パッケージの編集
- パッケージ構造の理解
- パッケージ ソース ファイルの手動編集
- パッケージのコンパイル
- パッケージ固有のコンパイラ指令
- $WEAKPACKAGEUNIT 指令の使用
- コマンドラインからのコンパイルとリンク
- コンパイル時に作成されるパッケージ ファイル
- パッケージの配置