管理者様向けの高度なELCの設定方法
対象となる製品
- ELC 4.2
目次
概要
管理者様向けの少し高度な Embarcadero License Center(ELC)の設定方法について解説いたします。
本章では、ELC を運用していく上で必要な少し高度な設定方法を取り上げます。
今回取り上げる内容は、以下の通りです。
- IP リストファイルの設定
- ネットワークライセンスのユーザーリストファイルの設定
- Web アクセスによる ELC の管理
- ELC のログメッセージについて
尚、本章で登場する<ELC>という記述は、ライセンスサーバーをインストールしているホームディレクリを指し ます。
例えば、ELC v4.2 をインストール場合の Windows 環境におけるデフォルトパスは、以下の通りです。
C:\Embarcadero\ELC4.2\LicenseCenter
また本章で登場する「クライアント」とは、Delphi 、C++Builder、ER Studio といったエンバカデロテクノロジーズのツールを利用いただく場合にライセンスサーバー経由で、その使用権を取得する必要がある製品のことを 指します。
IP リストファイルの設定
IP リストファイルは、クライアントからのアクセスを IP アドレス(IPv4)の範囲によって制限したいときに使用します。
IP リストファイルの配置場所は、以下の通りです。
<ELC>/conf/iplist.txt
図 1-1 では、ELC インストールのデフォルト時における IP リストファイルの設定です。
図 1-1: IP リストファイルのデフォルト設定
デフォルトでは「*.*.*.*」と設定されているため、全てのクライアントからアクセスが可能です。
このIPリストファイルの設定は、後で説明する「ネットワーク指名ユーザーライセンス」、「ネットワークコンカレントライセンス」両方に適用されます。
IPリストファイルの正しい設定の例:
設定 | 説明 |
---|---|
192.*.*.* | 192から始まる全てのIPアドレスのクライアントからアクセス可能 |
192.43.18.* | 192.43.18から始まる全てのIPアドレスのクライアントからアクセス可能 |
IPリストファイルの間違った設定の例:
設定 | 説明 |
---|---|
162.* | IPアドレスの桁の省略はできない。正しくは「162.*.*.*」と指定しなくてはならない。 |
162.43.1*.* | アスタリスクをワイルドカードとして使用できない。正しくは「162.43.*.*」と指定しなくてはならない。 |
ネットワークライセンスのユーザーリストファイルの設定
ネットワークライセンスは、以下のような2種類に分類されます。
- ネットワーク指名ユーザーライセンス
- ネットワークコンカレントライセンス
上記ライセンスの違いについては、こちらを参照下さい。
ネットワークライセンスのリストファイルは、ライセンスサーバーへアクセスする特定のユーザーに対して、使用する製品の種類やライセンスの貸し出し期間などを設定する目的で用意されています。
ユーザーリストファイルは、指名ユーザーライセンス用、そしてコンカレントライセンス用などそれぞれ個別に用意されていますので、お手持ちのライセンス形態に合わせて編集が必要です。
このリストファイルを編集する作業は、ネットワーク指名ユーザーライセンスをご利用のお客様は必須となります。ネットワークコンカレントライセンスをご利用のお客様は、後で説明するオフラインでクライアント製品を利用する場合以外は、特に設定する必要はありません。
各ユーザーリストファイルを編集する方法を説明する前に、ユーザー登録に必要な各パラメータについて
詳しく見ていきたいと思います。
ユーザーリストのフォーマットについて
ユーザーリストファイルに登録するユーザー情報のフォーマットは、図2-1で示す通りです。
図2-1: ユーザーリストのフォーマット
図2-1内の番号は、以下の表と対応しています。
パラメータ | 説明 |
---|---|
(1)ユーザー名 | OSにログインしているユーザー名を指定します。ネットワークコンカレントライセンスのみアスタリスク(*)の指定可能。 |
(2)ホスト名 | クライアントからアクセスされるコンピュータ名を指定します。ネットワーク指名ユーザーライセンスでは、常にアスタリスク(*)を指定する必要があります。 |
(3)製品コード
(4)SKUコード |
製品に関するコードです。製品コード及びSKUコードに関する詳細は2.2で説明します。 |
(5)チェックアウト期間 | 最大30日間のオフライン(ライセンスサーバーを介さない状態)によるチェックアウト期間を設定できます。 |
ユーザーリストに追加する製品コードとSKUコードを調べる方法
図2-1の(3)製品コードと(4)SKUコードは、ダウンロードしたライセンスファイル(ZIP形式)内のreadme_xxxxx.txtに記載されています。 (xxxxxは、お手持ちのLicense Certificate Numberに相当します。図2-1を参照ください) ライセンスファイルのダウンロードの方法は、こちらの「6.ライセンスのダウンロード」を参照ください。
図2-2: ライセンスファイルのダウンロード
ダウンロードしたライセンスファイルを展開し、readme.txtファイルをエディタで開きます。
図2-3: お手持ちの製品コード(SKUコード)の例
図2-3の赤枠部分がユーザーリストファイルに追加すべきユーザー情報の例です。 ここでは、2702が「製品コード」、0が「SKUコード」に相当します。
チェックアウト期間の設定について
ネットワークライセンスは、社内ネットワークに接続された環境で使用することが原則ですが、ラックトップPCのように社外へクライアントを持ち出して使用するようなケースでは、ライセンスをチェックアウトする必要があります。
リストファイル内にユーザー名と共にチェックアウト期間を設定することで、ログインしてきたユーザーに対して設定した期間内、オフラインでの使用が行えます。
「オフライン」とは、クライアントがライセンスサーバーへ接続しなくても利用できる状態のことを指します。オフラインの期間は、最大で30日間まで設定することができます。
チェックアウト期間は、以下の形式で設定します。
days:hours
例えば、「etuser」というユーザーを7日間チェックアウトできるよう許可するには、
etuser,*,*,7
のように指定します。これは以下の設定でも同義です。
etuser,*,*,7:0
ここでは、チェックアウト期間の設定例をいくつか見ていきたいと思います。
チェックアウト期間が5時間の場合:
etuser,*,*,0:5
チェックアウト期間が1日と15時間の場合:
etuser,*,*,1:15
チェックアウト期間が30日間の場合:
etuser,*,*,30
この場合「30:0」と指定しても同義です。
チェックアウトを許可せず、オンライン専用として設定したい場合:
etuser,*,*,-1
チェックアウト期間の設定を30日間超えて設定した場合には、ライセンスサーバー起動時にエラーとなります。 以下のメッセージは、最大期間を超える設定(31日)を指定した場合の例です。
Concurrent user file (userlist-concurrent.txt) error: "etuser, *, *, 31" Borrowed days exceeds maximum (1,0)
userlist-concurrent.txtの設定
userlist-concurrent.txtファイルは、ネットワークコンカレントライセンスをお持ちの場合に使用します。 このユーザーリストファイルの配置場所は以下の通りです。
<ELC>/conf/userlist-concurrent.txt
デフォルトでは、このファイルにはユーザーは何も登録されていないため、全てのユーザーからアクセス可能ですが、オフラインでの使用はできません。 オンライン専用で利用する場合には、特にユーザーリストファイルの編集の必要は無く、デフォルトのままで利用できます。 もし特定のユーザーに対してオフラインでの利用を許可したい時は、個別にユーザーの登録が必要になります。 コンカレントライセンスでは、所有しているライセンス数に関係なく、リストファイルにユーザーの登録が行えます。
ユーザーリストの各パラメータには、ワイルドカードとなるアスタリスク(*)を指定できます。 ここでは、ユーザーリストへ登録する例としていくつかのパターンを紹介いたします。 (以下で言う「全ての製品」とは、お客様が購入済みの製品ライセンスに相当します)
1. 全てのユーザーは、全て製品に対して7日間チェックアウトできます。
*,*,*,7
2. 全てのユーザーは、製品Xを7日間チェックアウトできます。
*,*,X,7
3. 全てのユーザーは、全ての製品に対して7日間チェックアウトでき、userAは全ての製品を30日間チェックアウトできます。
*,*,*,7 userA,*,*,30
4. 全てのユーザーは全ての製品を7日間チェックアウトでき、userAは製品Xを30日間チェックアウトできます。
*,*,*,7 userA,*,X,30
5. 全てのユーザーはX製品を7日間チェックアウトでき、userAは製品Xを30日間チェックアウトできます。
*,*,X,7 userA,*,X,30
6. userAは、X製品だけ30日間チェックアウトできます。製品Yはチェックアウトできません。同様にuserBは、Y製品だけ30日間チェックアウトできますが、製品Xはチェックアウトできません。
userA,*,X,30 userB,*,Y,30
7. userAは全ての製品を30日間チェックアウトでき、userBは製品Yだけを30日間チェックアウトできますが、それ以外の製品はチェックアウトできません。
userA,*,*,30 userB,*,Y,30
ユーザーリストファイルでは、同じユーザー名を複数登録することができます。リストは上から下へ検索され、もし同じユーザーが複数見つかった場合、上書きされますので一番下にあるユーザー情報が有効となります。
8. userAは、製品Xを7日間チェックアウトできます。(一番下のユーザー情報が有効)
userA,*,X,30 userA,*,X,7
9. userAは、全ての製品を7日間チェックアウトできます。(一番下のユーザー情報が有効)
userA,*,Y,30 userA,*,*,15 userA,*,*,7
以上のようにネットワークコンカレントライセンスのユーザーリストファイル(userlist-concurrent.txt)は、リストに登録されているユーザーに対してはオフラインを許可します。リストに無いユーザーは全てオンライン専用となります。
編集したユーザーリストファイルは、ライセンスサーバーの起動時に認識されますので、ユーザー情報が変更された場合には、必ずライセンスサーバーを再起動してください。
userlist.txtの設定
userlist.txtファイルは、ネットワーク指名ユーザーライセンスをお持ちの場合に使用します。 このユーザーリストファイルの配置場所は以下の通りです。
<ELC>/conf/userlist.txt
ネットワーク指名ユーザーライセンスは、以下の点においてネットワークコンカレントライセンスと異なります。
(1)ユーザーリストファイルに、必ずログインを許可するユーザーの登録が必要
もしリストファイルに登録が無いユーザーがライセンスサーバーへアクセスした場合は、図2-4のようにエラーが発生し、使用権は取得できません。
図2-4: ライセンスサーバーからのエラー報告(例: RadStudio2009)
(2)ユーザー名に対してアスタリスク(*)を指定できない
ネットワーク指名ユーザーライセンスでは、以下のようにユーザーのパラメータに対してアスタリスク(*)を指定することができません。
間違った例:
*,*,X,7
ライセンスの性質上、必ず使用するユーザーを指定(指名)する必要があります。
正しい例:
userA,*,X,7
(3)製品コード(SKUコード)に対してアスタリスク(*)を指定できない
ネットワーク指名ユーザーライセンスでは、以下のように製品コード(SKUコード)に対してアスタリスク(*)を指定することができません。
間違った例:
userA,*,*,7
必ず使用する製品コードを指定する必要があります。
正しい例:
userA,*, X,7
(4)所有するライセンス数以上のユーザーを指定することができない
例えば、所有しているネットワーク指名ユーザーライセンス数が「1」とします。
コンカレントライセンスの場合には、所有しているライセンス数に関係なく、リストファイルにユーザーの登録が行えましたが、ネットワーク指名ユーザーライセンスでは、所有しているライセンス数以上の登録を行った場合、ライセンス数を超えた分のユーザーは自動的に無視されます。 また無視されるユーザーはリストファイルに登録した順番ではなく、ライセンスサーバーがユーザーを認識した際、内部的にソート(昇順)され、そのリスト順の先頭から判断されます。 例えば、以下のようなケースでは「userA」のみが有効となり、残りのユーザーは無視されます。
userB,*,X,7 userA,*,X,7 userC,*,X,7
以下は、ライセンスサーバーが出力したログの一例です。
License Pool Loaded: [0 concurrent, 1 named] All-access (500_32_1) License Pool Loaded: [0 concurrent, 1 named] All-access (500_33_1) WARNING: Named User List exceeds license count: 500_32 "All-access Silver" Ignoring Named Users: userc@* userb@* WARNING: Named User List exceeds license count: 500_33 "All-access Silver Oracle" Ignoring Named Users: userc@* userb@* All-access (500_32_1) 1 named licenses user: duration: usera 7d:0h All-access (500_33_1) 1 named licenses user: duration: usera 7d:0h
上記のログから、「userb」、「userc」のユーザーは無視され、「usera」が認識されていることがわかります。
(ここでの例では、製品Xに相当するコードは、「500_32_1」、「500_33_1」を使用しています)
間違いが無いよう原則として所有するライセンス数を超えるユーザーは、リストファイルに登録しないことをお勧めいたします。
ネットワーク指名ユーザーライセンスの設定につきましては、上記(1)から(4)の項目について注意してください。 尚、編集したユーザーリストファイルは、ライセンスサーバーの起動時に認識されますので、ユーザー情報が変更された場合には、必ずライセンスサーバーを再起動してください。
WebアクセスによるELCの管理
WebブラウザからELCの管理画面へアクセスすることができます。
これによって、テキストベースで編集していたIPリストファイルやユーザーリストファイルをWebブラウザの画面から閲覧、そして編集が行えます。
ELCのWebサーバーのインストール
Webサーバーの機能を使用するために、ELCのインストール時のオプションで
- Typicalインストール(デフォルト)
- Customインストールで”Embarcadero License Center Web Admin”の機能にチェックをつける
=> 図3-1を参照
のいずれかによる方法によるインストールが必要です。
ELCのWebサーバーは、デフォルトの選択でインストールが行われます。
図3-1: カスタムインストールのオプション
ELCのWebサーバーの設定
ELCのWebサーバーのデフォルトのHTTPポート番号は「5580」です。 このデフォルトのHTTPポート番号を変更したいときは、ELCの設定ファイルを編集します。 ELCの設定ファイルの配置場所は以下の通りです。
<ELC>/conf/elise.properties
図3-2: elise.propertiesファイル
図3-2のように設定ファイル内の”webAdminHttpPort”の項目がHTTPポート番号となります。
この値を編集することで、別のポート番号に変更できます。
また同じく図3-2の”webAdminEnable”を”false”に変更することで、ELCのWebサーバーを無効にすることもできます。
elise.propertiesファイルの編集後は、必ずELCを再起動してください。Webサーバーは、ELC本体のプロセスと一緒に起動されます。
Webブラウザからのアクセス
ELCのWebサーバーへアクセスためのWebクライアントとして「Webブラウザ」が必要です。 以下は、現在ELCでサポートされているWebブラウザの種類とバージョンの一覧です。
- Internet Explorer 6.0 – 7.0
- Firefox 1.5 – 3.0
- Safari 2.0 – 3.1
いずれのブラウザをご利用の際にも、必ずJavaScriptとCookieの設定を有効にしてください。
例えば、HTTPポート番号がデフォルトの「5580」の場合、ブラウザから以下のURLによって、Webサーバーへアクセスすることができます。
http://your-machinename:5580
(your-machinenameは、ELCをインストールしたホスト名を指します。)
ELCをWebで管理するために2つのアカウントが用意されています。 管理者用アカウント:
Username:admin Password:admin
閲覧専用アカウント:
Username:viewer Password:viewer
上記は、それぞれのユーザー名と初期パスワードです。
viewerアカウントでログインした場合は、ELCの管理項目に対して編集、追加、削除といった作業は行えませんが、登録されているライセンス、ユーザーリストや現在ログインしているユーザー、そしてサーバーによって出力したログなどの情報をWebブラウザで見ることができます。
図3-3: Webログイン画面
はじめてWeb管理画面からログインするときは、初期パスワードを使用ください。
ログイン後、Web画面の右上の”Change Password”をクリックし、パスワードの変更が行えます。
=> 図3-4 を参照ください
図3-4: パスワードの変更
Webの管理メニュー
Licenses
Webの管理メニューの”Licenses”をクリックすると、現在利用可能なライセンスに関する情報が表示されます。
図3-5:ライセンスの管理画面
項目 | 説明 |
---|---|
License Name | ライセンス名 |
License Type | ライセンスの種類
Named:ネットワーク指名ユーザーライセンス Concurrent:ネットワークコンカレントライセンス |
Units | 使用可能なライセンスの総数 |
Used | 現在使用されているライセンス数 |
Remaining | 使用可能な残りのライセンス数 |
Expiry Date | ライセンスの使用期限
Unlimited:無期限のライセンスを示します |
Certificate number(s) | ライセンス番号 ※図2-2を参照ください |
Connected Users
Webの管理メニューの”Connected Users”をクリックすると、ライセンスサーバーへアクセスしているユーザー情報が表示されます。この画面には、オフラインによってライセンス使用権を取得しているユーザーも表示されます。
図3-6: 接続しているユーザーの管理画面
項目 | 説明 |
---|---|
User Name | 接続しているユーザー名 |
Host Name | 接続しているユーザーのホスト名 |
License Name | 接続しているユーザーによって使用されているライセンス名 |
License Type | 接続しているユーザーによって使用されているライセンスの種類
Named:ネットワーク指名ユーザーライセンス Concurrent:ネットワークコンカレントライセンス |
License Status | 使用しているライセンスの状況
Online:ライセンスはオンラインでの使用 Borrowed:ライセンスはオフラインでの使用 |
Time Remaining | オフライン時によるライセンスの残り時間
License Statusが”Online”の場合には表示されない。 |
Concurrent Users
Webの管理メニューの”Concurrent Users”をクリックすると、ネットワークコンカレントライセンスのユーザーリストの情報が表示されます。 表示される情報は、<ELC>/conf/userlist-concurrent.txtファイルの内容と同じです。 詳しくは、2.4「userlist-concurrent.txtの設定」を参照ください。
図3-7: ネットワークコンカレントライセンスのユーザーリストの画面
項目 | 説明 |
---|---|
User Name | ログインユーザー名、アスタリスク(*)を指定している場合はANY |
Host Name | ユーザーのホスト名、アスタリスク(*)を指定している場合はANY |
Product Title | 製品名 |
Product Id | 製品コード、アスタリスク(*)を指定している場合はALL |
Sku Id | SKUコード、アスタリスク(*)を指定している場合はALL |
Offline Usage | チェックアウト期間 |
Actions | 表示アイコンをクリックすると、既存ユーザーの編集、及び 削除が可能
(この項目は、adminアカウントのみ表示) |
Named Users
Webの管理メニューの”Named Users”をクリックすると、ネットワーク指名ユーザーライセンスのユーザーリストの情報が表示されます。 表示される情報は、<ELC>/conf/userlist.txtファイルの内容と同じです。 詳しくは、2.5「userlist.txtの設定」を参照ください。
図3-8: ネットワーク指名ユーザーライセンスのユーザーリストの画面
項目 | 説明 |
---|---|
User Name | ログインユーザー名 |
Host Name | 常にANY |
Product Title | 製品名 |
Product Id | 製品コード |
Sku Id | SKUコード |
Version | バージョンコード |
Offline Usage | チェックアウト期間 |
Actions | 表示アイコンをクリックすると、既存ユーザーの編集、及び 削除が可能
(この項目は、adminアカウントのみ表示) |
IP List
Webの管理メニューの”IP List”をクリックすると、IPリストの情報が表示されます。 表示される情報は、<ELC>/conf/iplist.txtファイルの内容と同じです。 詳しくは、1.「IPリストファイルの設定」を参照ください。
図3-9: IPリストの画面
項目 | 説明 |
---|---|
IP Address | 特定のIPアドレス、もしくはIPアドレスの範囲 |
Actions | 表示アイコンをクリックすると、既存ユーザーの編集、及び 削除が可能
(この項目は、adminアカウントのみ表示) |
Configuration Properties
Webの管理メニューの”Configuration Properties”をクリックすると、ELCのコンフィグ設定の情報が表示されます。 表示される情報は、<ELC>/conf/elise.propertiesファイルの内容と同じです。
図3-10: ELCのコンフィグプロパティの画面
Adminアカウントでログインしていれば、この画面からELCの設定を編集することができます。
編集後は、ELCの再起動が必要です。
Server Logs
Webの管理メニューの”Server Logs”をクリックすると、サーバーのログ情報が表示されます。 <ELC>/logsフォルダ内に作成されているinfo.logやerror.logなどの情報を見ることができます。 検索したい日時の範囲を指定し、”View logs”を実行することで、ログ情報をフィルタして表示することができます。 表示されているメッセージの内容については、「4. ELCのログメッセージについて」を参照ください。
図3-11: サーバーログの画面
Server Status
Webの管理メニューの”Server Status”をクリックすると、サーバーのステータス情報が表示されます。
図3-12: サーバーステータスの画面
項目 | 説明 |
---|---|
Version | ELCサーバーのバージョン |
Running since | サーバーの開始日時 |
Master server | マスタサーバーのホスト名、もしくはIPアドレス |
Web port | WebサーバーのHTTPポート番号 |
Backup Server | バックアップサーバーのホスト名、もしくはIPアドレス
ライセンスサーバーを冗長構成にしていなければ、常に”No server has been found”と表示される |
Status of backup server | バックアップサーバーのステータス
ライセンスサーバーを冗長構成にしていなければ、常に”No status”と表示される |
Home directory | ELCをインストールしたホームディレクトリ |
Configuration directory | <ELC>/confフォルダのパス |
Logs directory | <ELC>/logsフォルダのパス |
Database directory | <ELC>/dbフォルダのパス ※dbフォルダにはレポートログが保存されます |
Operating system name | ELCが実行されているオペレーティングシステム名 |
Operating system architecture | オペレーティングシステムのアーキテクチャ (例えば、x86など) |
Shutting down in | バックアップサーバーがシャットダウンするまでの残り時間
ライセンスサーバーを冗長構成にしていなければ、この項目は表示されない |
管理項目の編集
adminアカウントでした場合、Web画面上で”Concurrent Users”、”Named Users”、”IP List”、”Configuration Properties”といった管理項目の編集が行えます。
図3-13: Named Usersの編集画面
図3-13で示すようにネットワーク指名ユーザーライセンスの編集画面を例に説明します。
(1)Add entry
ボタンをクリックすると、図3-14-1のようにポップアップ画面が表示され、新規項目の追加が行えます。
図3-14-1: 新規追加ダイアログ
項目を入力した後、反映したい場合には”Add”を押して下さい。
キャンセルした場合には、”Cancel”を押して下さい。
(2)Edit
アイコンをクリックすると、図3-14-2のようにポップアップ画面が表示され、既存項目の編集が行えます。
図3-14-2: 編集ダイアログ
項目を変更した後、反映したい場合には”Change”を押して下さい。 キャンセルした場合には、”Cancel”を押して下さい。
(3)Delete
アイコンをクリックすると、図3-14-3のようにポップアップ画面が表示され、既存項目の削除が行えます。
図3-14-3: 削除確認ダイアログ
項目を削除したい場合には”Yes”を押して下さい。 キャンセルした場合には、”Cancel”を押して下さい。
(4)Save to file
追加や編集を行なった項目は、このボタンを実行することで、サーバーが保持する各設定ファイルと同期します。 逆にせっかく編集してもこのボタンを押して、ファイルの保存を行なわないとサーバーに反映されません。
図3-14-3: ファイル保存の確認ダイアログ
ファイル保存する場合には”Yes”ボタンを押して下さい。
キャンセルした場合には、”No”を押して下さい。
“Yes”を選択した場合は、サーバーのユーザーリストファイルが更新され、新たに更新されたデータでリロードが行われます。リストの更新に際してELCを再起動する必要はありません。
但し「3.4.6 Configuration Properties」のサーバーコンフィグに関わる項目を変更した場合は、ELCの再起動が必要です。
(5)Undo changes
ボタンをクリックすることで、既に編集してしまった項目を元に戻すことができます。
但し、このボタンによるUndoは、直前の操作の巻き戻しではなく、現在保持されているサーバー側のファイルがもう一度読み直されます。
どちらかというと”リセット”に近い動作となります。
そのため、途中何らかの手段でサーバー側のファイルが更新されてしまうと、その時点でのファイルをリロードすることになります。
例えば、以下のような手順を考えてみましょう。
- “Add Entry”によって”ユーザーA”を追加
- “File to save”によってユーザーリストファイルを保存
- “Undo Changes”を実行
この手順では、既に編集されているユーザーAは、手順2によってサーバー側のuserlist.txtが 更新されているため、undoを実行してもユーザーAを追加する前の状態には戻りません。 (つまり、手順3で実行されたUndoは、手順2によって保存されたuserlist.txtがリロードされます)
ELCのログメッセージについて
ELCは、<ELC>/logsフォルダ内にログファイルを作成します。
作成されるログファイルの中で、サーバーの稼働状況を知る上で非常な重要な役割を持つ2つのファイルがあります。そのファイル名は、「info.log」と「error.log」です。
info.logファイルには、「ELCの起動や終了イベント」や「認識されているライセンス」、「ユーザーからのアクセス状況」といったログ情報がリアルタイムに記録されます。
ログメッセージの説明の一部は、以下の通りです。
メッセージ | 説明 |
---|---|
Accepting requests from IP address or range: 43.133.*.* | ELCサーバーは、iplist.txtファイルに設定されているIPリスト情報からアクセスを許可します。
この場合、43.133.*.*のIPアドレスの範囲のクライアントPCは、ELCサーバーへアクセスすることができることを示します。 |
License key for Embarcadero Product expires in XX days | 所有しているエンバカデロ製品のライセンスに関する残り期限を表示します。(日数単位)
ライセンスが無期限の場合には、表示されない。 |
License Pool Loaded: 100_1_1 "JBuilder X" (5 concurrent, 0 named) | ELCによって認識されているライセンスの種類とライセンス数です。
この例では、「JBuilder X」という製品がコンカレントライセンスを5本としてELCに認識されていることを指します。 表示される情報は、所有している製品の種類やライセンス形態、そしてライセンス数によって異なります。 |
Listening on port: XXXX | ELCサーバーがリスンしているポート番号を示します。
デフォルトのポート番号は、「5567」です。 |
Reloading started.. | ユーザーリストファイルなど情報のリロードが開始されたときに
表示されます。 |
Reloading finished.. | リロードが終了したときに表示されます。 |
success | クライアントからのリクエストが成功した時に表示されます。
例えば、success xxx-hbt 00-flt user@hostname .... サーバーへアクセスしてきたユーザー名とホスト名、そして貸し出したライセンスの種類に関する情報が表示されます。 ライセンスのチェックイン/チェックアウトが成功した場合もステータスは、successと表示されます。 チェックイン: success xxx-in 00-flt user@hostname .... チェックアウト: success xxx-out 00-flt user@hostname .... |
release | クライアントへ貸し出したライセンスがサーバーへ返却されたことを示します。 |
Expired product license: license | ライセンスが期限切れしたときに表示されます。 |
error.logファイルには、ELCで発生したエラーメッセージが記録されます。 エラーメッセージの説明の一部は、以下の通りです。
メッセージ | 説明 |
---|---|
Cannot listen on port XXXX. Is the license server already running? | ELCは、リッスンするためにXXXXポート番号を使用します。
(デフォルトのポート番号は、5567) このエラーが表示される原因は、 1. ELCが起動していない 2. ELCがリッスンするポート番号が別のアプリケーションで既に使用されている もし2.の事例に該当する場合は、<ELC>/conf/elise.propertiesのmasterPortプロパティを使用されていない別のポート番号へ変更することで対処できます。 例えば、masterPort=5568など |
Configuration file server_XXXXX.slip does not match the server
Hosting was performed incorrectly, or the configuration file belongs to another server. The file lock (Server1) does not match the server lock (Server2). |
このメッセージは、<ELC>/confにコピーしたライセンスファイル(server_XXXXX.slip)が許可されたホスト名「Server1」ではなく、ホスト名「Server2」上で実行しようとしており、その結果、コピーしたライセンスが無効であることを示しています。
もし「Server2」上でELCを実行したい場合には、再度ホスティングの作業が必要です。 ホスティングについては、こちらの「ライセンスのホスト設定」を参照ください。 |
Initialization failed, program aborted | ELCは、内部(予期せぬ)エラーによってプロセスが開始できないことを示します。このメッセージが表示された場合は、エンバカデロテクノロジーズのサポートへお問い合わせください。 |
License storage <ELC>\conf\elise.lic is corrupted, licensing data cannot be recovered. Please contact Embarcadero.(7104) | このエラーが表示される原因は、
1.<ELC>/confフォルダに置かれたファイルが壊れている 2.別のPCから現在使用しているPCへ<ELC>/confフォルダの中身をコピーした もしこのメッセージが表示された場合は、エンバカデロテクノロジーズのサポートへお問い合わせください。 |
At least one valid configuration file must be present in the C:\Embarcadero\ELC4.12\LicenseCenter\conf directory to start Embarcadero License Center. | このメッセージは、<ELC>/conf以下に使用可能なライセンスファイルが1つも配置されていない時に表示されます。
ELCをインストール直後、サーバープロセスを起動すると、まだライセンスファイルがコピーされていないため、このエラーが生じます。この問題を解決するには、ホスティングを行ない、ライセンスファイルをダウンロードし、server_XXXXX.slipを<ELC>/confへ配置してください。 |
まとめ
本章では、以下の項目に関して詳しく解説いたしました。
- IPリストファイルの設定
- ネットワークライセンスのユーザーリストファイルの設定
- WebアクセスによるELCの管理
- ELCのログメッセージについて