Clang 拡張 C++ コンパイラでプリコンパイル済みヘッダーを使用する

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プリコンパイル済みヘッダー ファイルは、コンパイル時に速く処理されるようにあらかじめコンパイルされている C++ ヘッダー ファイルです。 プリコンパイル済みヘッダーは、このような中間形式の C++ ヘッダー ファイルです。 Clang 拡張 C++ コンパイラを使用すると、プロジェクトは一度に 1 つのプリコンパイル済みヘッダーのみプリコンパイルに使用できます (BCC32 または BCCOSX を使用している場合、プロジェクトでは、複数のコンパイル済みヘッダーをそれぞれ使用することができます。)

PCH.h ファイルは C++ アプリケーションのデフォルトのプリコンパイル済みヘッダー ファイル

C++ プロジェクトごとに 1 つのプリコンパイル済みヘッダーが自動的に生成されます。 生成されるプリコンパイル済みヘッダー ファイルのデフォルト名は以下のようになります。

 <projectname>PCH<n>.h
  • <projectname> は、プリコンパイル済みヘッダーが作成されるプロジェクトの名前です。
  • <n> は、コンパイル済みヘッダーの数です。

たとえば、Project1 という名前の C++ アプリケーションを新規作成する場合は、このプロジェクトのビルドに使用するコンパイラにかかわらず、以下のプリコンパイル済みヘッダーが自動的に生成されます。

Project1PCH1.h

PCH.h ファイルは、どの C++ プロジェクトの場合も[プロジェクト マネージャ]内のノードになります。 自動生成されるプリコンパイル済みヘッダー(PCH.h ファイル)は、64 ビット Windows 版の C++ アプリケーションをコンパイルする際にデフォルトで使用されます。

メモ: BCC32 および BCCOSX は、デフォルトでは、コンパイル済みヘッダーを生成します。ただし、プロジェクト マネージャで表示される PCH.h ファイルを使用するよう、それらを設定することができます。それにはシンプルに、
#include
PCH.h ファイル(#pragma hdrstop; が続きます)に対して指定することを、プロジェクトの各ソース ファイル内で行います。もちろん、PCH.h ファイルの本体は編集して、
#include
によって、プロジェクトに必要なすべてのヘッダーをインクルードするようにしなければなりません。

Clang 拡張 C++ コンパイラのプリコンパイル済みヘッダーを作成する

以下の手順は、Clang 拡張 C++ コンパイラ用のプリコンパイル済みヘッダーの使用方法を示しています。 Clang 拡張 C++ コンパイラでは、プロジェクトごとに 1 つのヘッダー ファイルのみ使用可能です。 以下の手順に従って、単一のヘッダー ファイルを作成し、それをソース ファイルのプリコンパイル済みヘッダーとして使用します。

手順

  1. C++ アプリケーションを作成します(コンソール アプリケーションVCL、または、FireMonkey)。
    まったく新しいアプリケーションを使用することも、XE3 より前のバージョンの C++Builder で作成したアプリケーションを使用することもできます。つまり、アプリケーションをいったん作成してから変更や追加を加えることもできますし、C++Builder の以前のバージョンで作成した既存のアプリケーションであってもかまいません。
  2. [ファイル|すべて保存]を選択します。プロジェクトのすべてのファイルを、希望する場所に保存します。
  3. [プロジェクト マネージャ]で、以下のようにして、Clang 拡張 C++ コンパイラを使用するターゲット プラットフォーム([64 ビット Windows]など)と PCH ファイルを有効にします。
    • [ターゲット プラットフォーム]を右クリックして、[プラットフォームの追加...]を選択して目的のターゲット プラットフォームを選択します。
    • プロジェクトの PCH.h ファイルを右クリックし、[プリコンパイルに使用]が有効になっていることを確認します。
  4. ヘッダー ファイル(PCH.h)を編集し、プリコンパイルするヘッダー ファイルをインクルードします。 PCH.h ファイルの末尾は以下のようになっていなければなりません。
    #pragma hdrstop
  5. PCH.h ファイルをプロジェクト フォルダに保存します。
  6. [プロジェクト マネージャ]で、プリコンパイル済みヘッダー PCH.h をインクルードするソース ファイルを右クリックし、コンテキスト メニューから[ローカル オプションの編集...]を選択します。
  7. F9 キーを押して、プロジェクトを実行します。

プリコンパイル済みヘッダーが設定されているソース ファイルの BCC64 コマンド ラインの例を以下に示します。 プリコンパイル済みヘッダーをソース ファイルにインクルードするコマンド ライン オプション(-include-pch)に注意してください。

PrecompiledHeaders.png

関連項目