Hint プロパティを使用した画面オブジェクトに関する状況依存ヘルプの表示

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VCL GUI コンポーネント（コントロールなど）では、Hint プロパティをサポートしています（たとえば、TApplication.Hint や TControl.Hint など）。フォーム、コントロール、その他の画面オブジェクトに関する状況依存ヘルプを表示する方法としては、Hint プロパティを使用することをお勧めします。画面オブジェクトに関するこのような状況依存ヘルプは "What is this?"（これ何？）ヘルプとも呼ばれます。

Hint プロパティの使用は VCL と IDE でサポートされています。

メモ： VCL コントロールでは、3 つの部分を含むヒント文字列をサポートしています。この 3 つの部分はそれぞれ別の場所に表示することができます。「Vcl.Controls.TControl.Hint」を参照してください。

VCL でヒントを設定する

VCL では、多くの GUI コンポーネントに Hint プロパティが用意されています。Hint プロパティには、ユーザーがコントロールにマウス ポインタを合わせたときに表示されるテキスト文字列が格納されています。

Hint プロパティのテキストを表示できるようにするには、以下のコード断片にあるように、フォームのコードで ShowHint プロパティ（Controls.TControl.ShowHint）を True に設定します。 

Button1.ShowHint := True;                       // show the control's Hint 
Button1.Hint := 'Hint text for the component';  // Hint text

ShowHint（Delphi）や ShowHint（C++）の例では、コントロールのヒントを表示する方法について説明しています。 また、OnHint（Delphi）や OnHint（C++）の例では、TApplication.OnHint イベントのイベント ハンドラでヒントを表示する方法について説明しています。

［オブジェクト インスペクタ］でヒントを設定する

［オブジェクト インスペクタ］には VCL コンポーネントのヒント管理プロパティ（Hint や ShowHint など）が表示されるので、プログラム コードを手動で編集せずに、直接［オブジェクト インスペクタ］でこれらのプロパティに適切な値を設定できます。

たとえば、以下の手順では、ヒントの表示が必要ないくつかのフォーム上のコントロールとそれらのヒントのテキストを［オブジェクト インスペクタ］で定義する方法を示しています。

  1. フォーム デザイナで、カスタマイズするフォームを選択します。
  2. ［オブジェクト インスペクタ］を開きます。フォームのプロパティが表示されます。
  3. フォームの ShowHint プロパティを見つけます。
ヒント： フォームのほとんどのコントロールについてヒントが表示されるようにする場合は、フォームの ShowHint を True に設定します。そうでない場合は、ShowHint を False に設定します。
  1. フォーム デザイナで、ヒントの表示が必要なコンポーネントを選択します。このコンポーネントのプロパティが［オブジェクト インスペクタ］に表示されます。
  2. ParentShowHint プロパティを見つけます。その値が True（デフォルト値）であることを確かめます。
    ParentShowHint プロパティが True の場合、コンポーネントは親オブジェクト（つまりフォーム）の ShowHint プロパティを継承します。コンポーネントの ShowHint プロパティの値は無視されます。
今回の場合、親であるフォームの ShowHint プロパティは True です。つまり、コンポーネントのヒントが表示されます。
ParentShowHint プロパティが False（または親であるフォームの ShowHint が False）の場合は、コンポーネントの ShowHint プロパティの値が使用されます。ShowHint が True の場合は、コンポーネントのヒントが表示されます。
  1. Hint プロパティを見つけます。そのプロパティの値セルをクリックし、ヒント テキストを入力します。ヒント テキストを入力する際には、Vcl.Controls.TControl.Hint のルールに従います。
  2. CustomHint（Vcl.Controls.TControl.CustomHint）プロパティや ParentCustomHint プロパティを使用すると、ヒントの外観をカスタマイズできます。
  3. フォーム上のすべてのコンポーネントについてステップ 4 ～ 7 を繰り返して、ヒントの表示が必要なコンポーネントと不要なコンポーネント、ヒント テキスト、ヒントの表示方法を定義します。
  4. プロジェクトをビルドして実行します。フォームを開きます。意図したコンポーネントで、指定したヒントが表示されます。

関連項目

コード サンプル

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