プロパティ、メソッド、イベントの設定

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フォームデザイナで操作する,目に見えるイメージを除いて,コンポーネントの明白な要素は,プロパティ,イベント,メソッドです。このヘルプではそれぞれに独立の章が割り当てられています。ここでは,この 3 つの要素の使い方について説明します。

プロパティ

アプリケーション開発者は,値の設定や読み出しができる変数のようなつもりでプロパティを扱います。コンポーネント開発者はプロパティを使用することにより,実際のデータ構造を隠蔽したり,値のアクセスに伴う特殊な処理を定義できます。

プロパティの使用によって得られる利点は以下のとおりです。

  • 設計時にプロパティを使用できる。これにより,アプリケーション開発者はコードを記述せずに,プロパティの初期値を設定,変更できる
  • プロパティが変更されるたびに,値や形式を検査できる。設計時に入力を検証することで,エラーを防止できる
  • 必要なときにコンポーネントが適切な値を構築できる。よくあるエラーは,初期化されていない変数を参照すること。データをプロパティにすれば,必要なときに値が使用可能であることを保証できる
  • プロパティを使用すると,単純で一定したインターフェースのもとでデータを隠蔽できる。プロパティでデータを扱うと,データの内部構造が変わってもコンポーネントを使用する開発者とのインターフェースを変えずに済む

コンポーネントにプロパティを追加する方法については,「プロパティの作成」を参照してください。

メソッド

クラスメソッドは,クラスの特定のインスタンスではなくクラスに作用する手続きと関数です。たとえば,あらゆるコンポーネントのコンストラクタメソッド(Create)はクラスメソッドです。コンポーネントメソッドは,コンポーネントのインスタンスそのものに作用する手続きと関数です。アプリケーション開発者はメソッドを使用して,コンポーネントが特定の動作を実行するよう指示したり,どのプロパティにもない値を取得したりします。

メソッドはコードの実行を必要とするので,呼び出せるのは実行時だけです。メソッドは以下のような点で役に立ちます。

  • メソッドは,コンポーネントの機能をデータが存在するのと同じオブジェクトにカプセル化する
  • メソッドは,一定した単純なインターフェースのもとで複雑な手続きを隠蔽できる。アプリケーション開発者はあるコンポーネントの AlignControls メソッドを,その機能やほかのコンポーネントの AlignControls メソッドとの相違を知らなくても呼び出せる
  • メソッドを使用すると,複数のプロパティを単一の呼び出しで更新できる

コンポーネントにメソッドを追加する方法については,「メソッドの作成」を参照してください。

イベント

イベントとは,実行時の入力やその他の動作に応答してコードを実行する特殊なプロパティです。イベントは,アプリケーション開発者に対して,コードの特定のブロックを実行時の特定の動作(マウス操作やキー入力など)に結び付ける方法を提供します。イベントが発生すると実行されるコードをイベントハンドラといいます。

イベントを使用すると,アプリケーション開発者は新しいコンポーネントを定義しなくても,さまざまな入力に対する応答を指定できます。

イベントの作成では,標準のイベントを実装したり,新しいイベントを定義する方法について説明しています。