COM を使ってアプリケーションを作成する

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COM とは Component Object Model の頭字語で,インターフェースという定義済みのルーチンを使ってオブジェクトの相互運用ができるように設計された Windows ベースの分散オブジェクトアーキテクチャを意味します。COM アプリケーションは,DCOM を使用する場合は異なるマシンで,それ以外の場合は異なるプロセスによって実装されるオブジェクトを使用します。COM+,ActiveX,ASP(Active Server Page)も使用できます。

COM は,Windows プラットフォーム上で動作するソフトウェアコンポーネントとアプリケーションの間の対話を可能にするための,言語に依存しないソフトウェアコンポーネントモデルです。COM の重要な機能は,明確に定義されたインターフェースを通じて,コンポーネント間,アプリケーション間,およびクライアントとサーバー間の通信を可能にすることです。インターフェースは,クライアントが COM コンポーネントに対して実行時にどの機能をサポートするかを問い合わせるための手段を提供します。コンポーネントに機能を追加するには,追加機能用のインターフェースを追加するだけで済みます。

COM と DCOM の使い方

COM アプリケーション,OLE アプリケーション,および ActiveX アプリケーションの作成を容易にするさまざまなクラスとウィザードが用意されています。COM クライアントまたは COM サーバーを作成して,そこに COM オブジェクト,オートメーションサーバー(Active Server Objects を含む),ActiveX コントロール,または ActiveForm を実装することができます。COM は,ほかのテクノロジー(オートメーション,ActiveX コントロール,Active ドキュメント,Active ディレクトリなど)の土台の働きもします。

Delphi を使って COM アプリケーションを作成すると,アプリケーションの内部のインターフェースを使ったソフトウェア設計の改良から,Win9x Shell 拡張や DirectX マルチメディアサポートのような,システム内のほかの COM API オブジェクトと対話できるオブジェクトの作成まで,さまざまな作業が可能になります。アプリケーションは,同じコンピュータ上にある COM コンポーネントのインターフェースにアクセスするか,分散 COM(DCOM)と呼ばれるメカニズムを使ってネットワーク上の別のコンピュータ上にある COM コンポーネントのインターフェースにアクセスすることができます。

COM および ActiveX コントロールの詳細は,「COM テクノロジーの概要」,「ActiveX コントロールの作成」,および「ActiveX コントロールとしてクライアントアプリケーションを配布する」を参照してください。

DCOM の詳細は,「DCOM 接続を使用する」を参照してください。

MTS と COM+ の使い方

特殊なサービスを使って COM アプリケーションを拡張し,大規模な分散環境でオブジェクトを管理することができます。特殊なサービスとは,MTS(Microsoft Transaction Server)(Windows 2000 より前のバージョン)および COM+(Windows 2000 以降のバージョン用)の提供するトランザクションサービス,セキュリティ,リソース管理です。

MTS および COM+ の詳細は,「トランザクション データ モジュール ウィザード」と「トランザクションデータモジュールの使い方」を参照してください。

関連項目