FireMonkey と RTL(IDE チュートリアル)

提供: RAD Studio
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前のセクションで説明したように、RAD Studio には、マルチデバイス アプリケーションを非常に簡単に構築できる強力な統合開発環境(IDE)が備わっています。FireMonkey には、ビジュアル コンポーネントと非ビジュアル コンポーネントが多数用意されており、それらを使用することで、目的とするほとんどどのようなユーザー インターフェイスでも作成できます。

RAD Studio は、FireMonkey の他にも、幅広いルーチンやクラスを含むライブラリを備えています。これはランタイム ライブラリと呼ばれるもので(RTL といいます)、すべてのアプリケーションで必要な共通機能を提供します。

このトピックでは、FireMonkey および RTL に含まれている非常に重要なクラス、データ型、関数について説明します。

FireMonkey の非常に重要なコンポーネントには以下のものがあります。

  • あらゆるデスクトップ プラットフォームで一般に使用されるコントロールがすべて含まれている標準のコンポーネント セット。これは、ボタン、編集ボックス、メニューなどのコンポーネントで構成されます。これらの FireMonkey コントロールの中には、ネイティブ版のコントロールで通常提供されるよりもさらに多くの機能を提供するものがあります。
  • デスクトップ プラットフォーム フレームワークには通常含まれていない拡張コンポーネント セット。これらのコンポーネントは、標準コンポーネント セットに基づいて作成されています。
  • アクションを使用することで、ユーザー インターフェイスの対話ロジックをすべて一元管理できます。
  • 設計時にデータ ソースにリンクできる多数のデータ対応コントロール。これらのコンポーネントは、データベース アプリケーションで広く使用されています。
  • FireMonkey では、Microsoft SQL Server、Oracle、IBM DB2、MySQL、Sybase、Informix、InterBase、Firebird の各データベースに対して、組み込みコンポーネントを通じてパフォーマンスの高いネイティブ アクセスを行えます。
  • インターネットに接続するアプリケーションで使用される多数のコンポーネントを提供する Internet DirectIndy とも呼ばれます)。Indy には、今日最もよく使用されているインターネット通信プロトコル用のクライアント コンポーネントとサーバー コンポーネントが含まれています。
  • FireMonkey アプリケーションを使用することで、幅広い範囲のデータベース フレームワークにアクセスすることができ、それをあらゆるデータ対応コントロールと共に使用して、アプリケーション開発をこれまで以上に簡単にし、分散アプリケーションを構築することができます。これらのフレームワークには DataSnap などがあり、DataSnap では分散アプリケーションを構築できます。

FireMonkey で提供されているコンポーネントはこれがすべてではありませんが、上記のものが最もよく使われ、評価されている FireMonkey コンポーネントです。利用可能なすべてのコンポーネントを確認するには、RAD Studio の[ツール パレット]に目を通してください。

FireMonkey についての詳細は、「FireMonkey アプリケーション プラットフォーム」を参照してください。

RTL の非常に有用な機能には以下のものがあります。これは Delphi と C++Builder の両方で利用できます。

  • 文字列の幅広いサポート。Unicode 文字列(RAD Studio が使用しているデフォルトのエンコード)、ANSI および UTF-8 文字列の処理、さまざまな文字列処理ルーチンなどを含みます。
  • 多数の日時操作ルーチン。
  • ファイルおよびストリームの操作の幅広いサポート。
  • Windows API をサポートするためのルーチンやクラス。開発をしていると、ある機能が RTL で提供されていないために、Windows API を直接使用しなければならないことがよくあります。RAD Studio では、開発者がすべての Windows API を直接使用できるようにしています。ただし、RAD Studio ではその他にも、レジストリ処理用の TRegistry など、Windows API の機能を提供しながらもより簡単に使用できるクラス群を提供しています。
  • COM と統合しやすくするためのバリアント データ型とさまざまなサポート ルーチン。Microsoft の COM 技術および OLE 技術では、かなり前からバリアント データ型を使用しています。操作対象のデータ型が正確にわからない場合には、バリアントが有効です。Delphi 言語コンパイラは、バリアントをネイティブでサポートしており、Java や PHP といった他の言語が持つ動的な言語概念の一部を統合しています。
  • 型やクラスやインターフェイスのメタデータを実行時に簡単に取得するための実行時型情報(RTTI ともいいます)。

RTL でもう 1 つ重要なのは、Delphi 言語に固有のジェネリック コレクションの機能です。このジェネリック クラスのコレクションは、リストやディクショナリなどのコンテナ クラスを必要とするアプリケーションで使用することができます。これらのクラスに対応する非ジェネリック クラスもあります。

C++Builder では、ジェネリック コレクションに相当する機能が STL ライブラリに含まれています。これはサード パーティ製アドインとして Dinkumware が提供するものです。次のセクションで詳細を説明します。

詳細情報:

FireMonkey アプリケーション プラットフォーム」および「RTL の利用」を参照してください。

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