HTML ヘルプの種類

提供: RAD Studio
移動先: 案内検索

アプリケーションからの HTML ヘルプの呼び出し への移動

Windows では、ユーザー アプリケーションは以下に示すようなヘルプ形式を使用できます:

CHM -- HTMLHelp

HTMLHelp は Microsoft のコンパイル済み HTML ヘルプ形式です。HTMLHelp は 32 ビット Windows の独自のオンライン ヘルプ形式です。HTMLHelp は、Windows 98 のリリースに伴い Microsoft WinHelp 形式の後継として導入されたもので、Windows 7 でもまだサポートされています。このヘルプは、最も普及している Windows ヘルプ形式です。

HTMLHelp ヘルプ ファイルは、CHM という拡張子の付いたバイナリ ファイルとして配布されます。1 つの CHM ファイルには、一連の HTML ファイル、ハイパーリンクが設定された目次、および索引が含まれます。

CHM ヘルプ ファイルのビューアは、Windows オペレーティング システムに付属しています。HTMLHelp 関数は、CHM ヘルプ ファイルのヘルプ ビューアの API となっています。

RAD Studio VCL では、HTMLHelp 関数 API の Delphi および C++ のラッパーを実装した Vcl.HtmlHelpViewer ユニットを提供しています。VCL アプリケーションで CHM 形式のヘルプ ファイルを使用するには、VCL アプリケーションのメイン フォームの uses セクションに Vcl.HtmlHelpViewer ユニットを指定する必要があります。C++ の場合は、Vcl.HtmlHelpViewer.hpp ヘッダー ファイルをインクルードする必要があります (追加情報については、MSDN の「HTMLHelp」トピックを参照)。

これは、RAD Studio で使用するオフライン ヘルプ システムです。「ヘルプの使用方法 - CHM」を参照してください。

HXS -- HTML Help 2.0 Microsoft ヘルプ

HTML Help 2.0 形式は、Visual Studio 2002 ~ 2008 で使用されています。
HTML Help 2.0 ファイルの拡張子は HXS です。コンパイル済みの HXS ヘルプ ファイルには HTML ソース ファイルが含まれます。

HXS ヘルプ ファイル群それぞれを表示するには、まず(Windows レジストリに)登録する必要があります。アプリケーションで登録を行うには、特別にプログラミングされたインストーラを使用するか、特別なサードパーティ製登録ツールを使用します。

HXS ヘルプ ファイルは、Microsoft の dexplore.exe ヘルプ ビューアまたはサードパーティ製のビューアで表示することができます。HXS ファイル用のビューアは Windows システムには付属していません。

dexplore.exe の API には公式なドキュメントがなく、RAD Studio では dexplore.exe API をラップしたユニットを提供していません。

Microsoft Help 2 形式はそもそも Visual Studio のヘルプ インテグレータのために設計されたものです。Microsoft では、一般のアプリケーションで HXS ヘルプ ファイルを使用することを推奨していません。

MSHC -- Microsoft Help 3

MSHC ヘルプは、Microsoft Help 3 や Microsoft Help Viewer 1.x とも呼ばれています。Microsoft Help 2 の後継となる形式です。

トピック ファイルの形式は XHTML 1.x(HTML 互換)です。ヘルプ ファイルはトピック ファイルを含む標準の Zip ファイルで、ファイル拡張子は MSHC(Microsoft Help Container)です。MSHC ヘルプ ファイルには、独自のファイルは含まれません。トピック ファイルだけです。標準の HTML メタ タグを使用して、さまざまなトピックの属性(目次、索引、キーワードなど)を定義します。

MSHC ヘルプ ファイルは任意の Web ブラウザで表示することができます。

ヘルプ コンパイラは必要ありません。

MSHC ヘルプ形式は、Windows 用の次世代の(Unicode ベースの)ヘルプ システムになる可能性があります。

RAD Studio では MSHC ヘルプをサポートしていません。

RAD Studio アプリケーションからは、ShellExecute 関数を使って MSHC ヘルプ ファイルを開くことができます。

アプリケーションで ShellExecute を使用するには、アプリケーションのメイン フォームの uses 句に ShellAPI ユニットを指定する必要があります。ShellExecute の説明については、MSDN ヘルプを参照してください。RAD Studio RTL では ShellExecute を "source\rtl\win\ShellAPI.pas" ファイルで宣言しています。

HLP -- WinHelp(非推奨)

Windows Vista 以降、Microsoft は HLP ヘルプ形式を廃止予定に設定しました。そのため、HLP ヘルプおよび WinHelpViewer ユニットを使用することは推奨されていません。

Microsoft WinHelp は、Windows 3.0 プラットフォームから Windows XP までの 16 ビットおよび 32 ビット Windows で使用されるオンライン ヘルプ ファイル用の独自形式です。WinHelp 形式のヘルプ ファイルの拡張子は HLP です。WinHelp 形式はリッチ テキスト フォーマット(RTF)ドキュメントがベースになっています。

HLP ヘルプ ファイルは、Microsoft ヘルプ ブラウザの winhelp.exe または winhlp32.exe を使って表示することができます。WinHelp 関数は、HLP ヘルプ ファイルのヘルプ ビューアの API となっています。

RAD Studio VCL では、WinHelp 関数 API の Delphi および C++ のラッパーを実装した WinHelpViewer ユニットを提供しています。VCL アプリケーションで HLP 形式のヘルプを使用するには、VCL アプリケーションのメイン フォームの uses セクションに WinHelpViewer ユニットを指定する必要があります。WinHelp ビューアは、Microsoft Web サイト(http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=6ebcfad9-d3f5-4365-8070-334cd175d4bb)からダウンロードできます。

その他の HTML ヘルプ形式

その他の HTML ヘルプ形式のうち、よく使われるものを以下に挙げます。

  • HTML ヘルプ -- 相互リンクされた HTM/HTML ファイルの集合です。
このファイルは任意の Web ブラウザで表示できます。
RAD Studio では HTML ヘルプをサポートしていません。
RAD Studio アプリケーションからは、ShellExecute 関数を使って HTML ヘルプ トピックを開くことができます。
  • WebHelp -- 圧縮やコンパイルがされていない個々の(HTML)ファイルの集合です。WebHelp は、Web サーバーやイントラネット サーバーに公開する場合に便利です。WebHelp はローカルにインストールするヘルプとして配置することもできます。
WebHelp ファイルは任意の Web ブラウザで表示できます。
RAD Studio では HTML ヘルプをサポートしていません。
RAD Studio アプリケーションからは、ShellExecute 関数を使って HTML ヘルプ トピックを開くことができます。

関連項目