TLIBIMP.EXE

コマンドライン ユーティリティ：インデックス への移動

TLIBIMP.EXE はタイプ ライブラリ インポート ツールです。TLIBIMP の機能の大半は RAD Studio のタイプ ライブラリ エディタに組み込まれているため、好みに応じて TLIBIMP ではなくタイプ ライブラリ エディタを使うことも可能です。

TLIBIMP は、ActiveX コントロール、OLE サーバー、COM サーバーのインポート タイプ ライブラリを作成します。TLIBIMP では tlibimp.sym というファイルを使用します。これは、いくつかのタイプ ライブラリのカスタム マッピングを提供するものです。tlibimp.sym の詳細については、「タイプ ライブラリ内のシンボル名のマッピング」を参照してください。

TLIBIMP では 32 ビットおよび 64 ビット Windows タイプ ライブラリをサポート

TLIBIMP には、32 ビット Windows ユーティリティと 64 ビット Windows ユーティリティの両方があります。

64 ビット Windows システムの場合には、32 ビット Windows 版の他に 64 ビット Windows 版の TLIBIMP もインストールされます。

TLIBIMP のプラットフォーム依存の各バージョンは、次の場所にインストールされます。

ユーティリティ名	サポート対象プラットフォーム	インストール場所
tlibimp.exe	32 ビット Windows	$(BDS)\bin\tlibimp.exe
tlibimp.exe	64 ビット Windows	$(BDS)\bin64\tlibimp.exe

TLIBIMP は、32 ビット Windows タイプ ライブラリと 64 ビット Windows タイプ ライブラリのどちらのインポートにも使用できますが、以下の点を考慮する必要があります。

64 ビット Windows アプリケーションでは（一部の 64 ビット MS Office アプリケーションのように）32 ビット Windows タイプ ライブラリを使用できますが、タイプ ライブラリには SYSKIND というフィールドがあり、その値は SYS_WIN32 と SYS_WIN64 のどちらかです。GenTLB.exe では、タイプ ライブラリのデフォルトの SYSKIND として SYS_WIN32 を使用します。

ただし、"-E64" スイッチが指定された場合、GenTLB.exe では SYS_WIN64 を使用します。また、IDE では、現在のターゲット プラットフォームが 64 ビット Windows の場合、GenTLB.exe に "-E64" を渡します。

別のタイプ ライブラリに依存するタイプ ライブラリの場合、32 ビット Windows 版の TLIBIMP では、依存するタイプ ライブラリの 32 ビット Windows 版しか探しません。そのため、レジストリの 64 ビット Windows キーにしか登録されていない別のタイプ ライブラリに依存する 64 ビット Windows タイプ ライブラリをインポートする場合は、32 ビット Windows 版ではなく、以下の場所にある 64 ビット Windows 版の TLIBIMP を使用する必要があります。

$(bds)\bin64\tlibimp.exe

#import ではなく TLIBIMP を使用

タイプ ライブラリを正しくインポートするには、#import ではなく TLIBIMP を使用する必要があります。#import から TLIBIMP への移行の詳細については、「#import から TLIBIMP.EXE への C++ コードの移行」を参照してください。

コマンドライン構文

TLIBIMP [<options>] <typelibfile>

コマンドライン要素

要素	説明
<options>	任意指定のコマンドライン オプション。これらは小文字であり、前にハイフン（-）かスラッシュ（/）のどちらかを付ける必要があります。
<typelibfile>	タイプ ライブラリのファイル。

TLIBIMP のコマンドライン ヘルプを表示するには、次のように入力します。

tlibimp

または

tlibimp -?

コマンドライン オプション

オプション	説明
インポート ファイルの種類：	-C、-P、-I のうち、少なくとも 1 つのオプションを指定する必要があります。
-C	C++ インポート ファイルを生成します。
-P	Delphi インポート ファイルを生成します。
-I	.ridl（制限付きインターフェイス定義言語）インポート ファイルを生成します。
出力ファイル指定オプション：
-D<パス>	出力ディレクトリ パスを <パス> に設定します。
-Fe<名前>	TLB サフィックス <名前> を設定します。サフィックスの使用を解除するには、-Fe- を使用します。
-Ft<名前>	TLB ファイル名 <名前> を設定します。サフィックスのないファイル名を使用します。
-Ce<名前>	OCX サフィックス <名前> を設定します。サフィックスの使用を解除するには、-Ce- を使用します。
-Co<名前>	OCX ファイル名 <名前> を設定します。サフィックスのないファイル名を使用します。
生成コードのカスタマイズ オプション：
-Ha+	コントロールの IDE コンポーネントを作成します。
-Hpa<名前>	コントロールの IDE コンポーネントのパレット名を設定します。
-Hs+	サーバーの IDE コンポーネントを作成します。
-Hps<名前>	サーバーの IDE コンポーネントのパレット名を設定します。
-Hr+	コンポーネント登録を生成します。
C++ 用オプション：
-Cd-	ディスパッチ インターフェイスを生成します。
-Cm-	ディスパッチ インターフェイスをデュアル インターフェイスにマップします。
-Cn<名前>	名前空間名を設定します。
-Cs+	GUID に declspec(__selectany) を使用します。
-Ct+	_TLB ファイルを強制的に使用します。
-Cu+	'using' で名前空間を公開します。
-Cv+	BCB4 形式のサーバー イベント。
-Cw-	コントロール ラッパーでディスパッチ インターフェイスを使用します。
Delphi 用オプション：
-Ps+	デュアル HRESULT を safecall にマップします。
-Pt-	すべての HRESULT を safecall にマップします。
その他のオプション：
-O+	CoClassCreator ラッパーを生成します。
-R+	依存タイプ ライブラリを処理します。
-XM-	MS 形式の取得アクセサ/設定アクセサを使用します。
-W+	警告をファイルに出力します。
-Wc+	コメントをファイルに出力します。
フラグの無視：
-Ya-	すべての特殊フラグを無視します。
-Yc+	［作成可能］を無視します。
-Yh-	［非表示］を無視します。
-Yp-	［定義済み］を無視します。
-Yr-	［アクセス制限］を無視します。

関連項目

• GenTLB.exe
• タイプ ライブラリ内のシンボル名のマッピング
• タイプ ライブラリ エディタ
• タイプ ライブラリ エディタの使用
• タイプ ライブラリ情報のインポート
• タイプ ライブラリ情報のインポート時に生成されるコード
• #import から TLIBIMP.EXE への C++ コードの移行
• W8137 非推奨の #import 指令が検出されました。代わりに、TLIBIMP ユーティリティを使用してください。（C++）