C++Builder 11でGetItパッケージマネージャから従来のBorlandコンパイラ(bcc32)向けのBoost 1.39がダウンロードできない

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対象となる製品

  • C++Builder 11.0 Alexandria

問題

C++Builder 11でGetItパッケージマネージャからBoostライブラリを検索すると、下図のようにClangコンパイラ向けのBoostライブラリしか提供されておりません。


Thumb03001110ujpn.png


この問題は、Embarcadero Quality Portalへ報告済みです。

ケース番号 タイトル
RSP-35356 Boost not available for classic C++ compiler

(Embarcadero Quality Portalへのログインは、EDNアカウントが必要)

解決

従来のBorlandコンパイラ(bcc32)は、C++14/C++17などの最新のC++言語仕様をサポートしていないため、Clangコンパイラ(bcc32c)への移行を推奨いたします。


なお、現時点での暫定的な対処方法として、もしC++Builder 11よりも古いバージョンのC++Builderをインストール済、かつGetItからboost 1.39をインストール済であれば、既存のboost_1_39フォルダを全て、C++Builder 11のホームディレクトリへコピーし、C++Builder 11のオプションを設定することで、boost 1.39が利用できます。


例えば、C++Builder 10.4でインストール済のBoost 1.39をC++ Builder 11で利用する手順は、以下の通りです。

(C++Builderのインストールディレクトリは、デフォルト構成と想定)


  1. C++Builder 10.4のBoost 1.39ディレクトリをC++Builder 11へコピーする
    C++Builder 10.4のboost_1_39ディレクトリ(サブディレクトリを含む)全て
    C:\Program Files (x86)\Embarcadero\Studio\21.0\include\boost_1_39
    
    C++Builder 11の以下のディレクトリへコピーしてください。
    C:\Program Files (x86)\Embarcadero\Studio\22.0\include
    
    そしてディレクトリをコピー後、以下のパスが存在していることをご確認ください。
    C:\Program Files (x86)\Embarcadero\Studio\22.0\include\boost_1_39
    
  2. C++Builder 11を起動し、[ツール]-[オプション]-[言語]-[C++]-[パスとライブラリ]で”従来のコンパイラ”を選択し、システムインクルードパスに以下のディレクトリを追加してください。
    C:\Program Files (x86)\Embarcadero\Studio\22.0\include\boost_1_39
    
    C:\Program Files (x86)\Embarcadero\Studio\22.0\include\boost_1_39\boost\tr1\tr1
    
    下図は、オプションの設定例です。
    Thumb03001109ujpn.png
  3. 最後にBoost 1.39関連のディレクトリを追加後、[保存]ボタンを押してダイアログを閉じてください。