オブジェクト項目の使い方

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オブジェクト項目とは,ほかの単純なデータ型の混合した項目です。これには,ADT(抽象データ型)項目,配列項目,データセット項目,および参照項目があります。これらの項目型は,子項目やほかのデータセットを含むことも,参照することもあります。

ADT 項目および配列項目は,子項目を持つ項目です。ADT 項目の子項目は,スカラー型またはオブジェクト型です(つまり任意のほかの項目型)。子項目の型は相互に違っていてもかまいません。配列項目は,同じ型の子項目の配列です。

データセット項目および参照項目は,ほかのデータセットにアクセスする項目です。データセット項目はネストされた(詳細)データセットへのアクセスを提供し,参照項目はほかの静的オブジェクト(ADT)へのポインタ(参照)を格納します。

オブジェクト項目コンポーネントの種類 :



コンポーネント名 用途

TADTField

ADT(抽象データ型)項目を表す

TArrayField

配列項目を表す

TDataSetField

ネストされたデータセットへの参照を含む項目を表す

TReferenceField

ADT へのポインタである REF 項目を表す



項目エディタを使ってオブジェクト項目を含むデータセットに項目を追加すると,型の正しい静的オブジェクト項目が自動的に作成されます。静的オブジェクト項目をデータセットに追加すると,自動的にデータセットの ObjectView プロパティが True に設定されます。その場合,構成要素の子項目が独立した別の項目であるかのように,項目は平面的ではなく階層的に格納されます。

次のプロパティはすべてのオブジェクト項目に共通し,子項目およびデータセットを処理する機能を提供します。

共通するオブジェクト項目の下位項目プロパティ :



プロパティ 用途

Fields

オブジェクト項目に属する子項目を含む

ObjectType

オブジェクト項目を分類する

FieldCount

オブジェクト項目に属す下位項目の数

FieldValues

子項目値へのアクセスを提供する



ADT 項目および配列項目を表示する

ADT 項目と配列項目は,どちらもデータベース対応コントロールを通して表示できる子項目を含みます。

1 つの項目値を表す Vcl.DBCtrls.TDBEdit などデータベース対応コントロールは,子項目値を編集不能のカンマ区切り文字列で表示します。さらに,コントロールの DataField プロパティにオブジェクト項目自身ではなく子項目を設定すると,子項目はほかの通常のデータ項目と同様に表示や編集ができます。

Vcl.DBGrids.TDBGrid コントロールが ADT 項目と配列項目のデータを表示する方法は,データセットの ObjectView プロパティの値によって変わります。ObjectViewFalse の場合,各子項目は 1 つの列の中に表示されます。ObjectViewTrue の場合,ADT 項目または配列項目は列のタイトルバー内の矢印をクリックすることによって,拡大したり,折りたたんだりできます。項目が拡大されると,各子項目はそれ自身の列とタイトルバーの中に表示されます。ADT または配列が折りたたまれると,その子項目を含む編集不能なカンマ区切りの文字列の 1 列だけ表示されます。

以下のトピックでは,オブジェクト項目のそれぞれの種類について説明しています。

関連項目