10.2 Tokyo - Release 2
新機能 への移動
10.2 Tokyo - Release 2(別名 10.2.2)は、Delphi 10.2 Sydney、C++Builder 10.2 Sydney、RAD Studio 10.2 Sydney のアップデートであり、Update Subscription の有効なユーザーが利用可能です。
10.2 Tokyo - Release 2 は、新機能、機能強化、および不具合の修正から構成されています。
キーとなる新機能が複数追加されており、FireMonkey クイック編集のサポート、数多くの新しい VCL コントロール、新たな濃色テーマ IDE オプション、エンタープライズ エディションおよびアーキテクト エディションにおけるRAD RAD サーバーの単一サイト配置ライセンス、インストーラおよび ウェルカム ページにおける強化などがあります。
他にも含まれているものに、macOS High Sierra に対するサポートの新規追加、iOS 11(iPhone X を含む)、Android 8、Windows 10、Linux に対するプラットフォーム サポートの強化、製品の多岐に渡す強化の追加、150 を超える不具合修正などがあります。
Release 2 にはまた、Subscription Release 1 で導入されたすべての新機能と強化機能が含まれています。Tokyo Toolchain ホットフィックス(2017年5月3日リリース)および Android 互換性パッチ(2017年6月22日リリース)での機能強化も同様です。
機能と不具合修正の完全リストについては、ここをクリック してください。
- メモ: 10.2 Tokyo - Release 2 をダウンロードおよびインストールするには、Update Subscription の有効なユーザーでなければなりません。
目次
FireMonkey クイック編集
10.2.2 において、新たなFireMonkey 用クイック編集機能により、開発者の生産性が向上されます。新しいクイック編集機能により、FireMonkey フォーム デザイナにおいて一般的なアクションがすばやく行えるようになりました。この機能は、Berlin Anniversary Update で導入された VCL クイック編集 機能に相当し、この機能もまた本リリースで強化されています。
新しい VCL コントロール
RAD Studio 10.2.2 では、VCL Windows アプリケーション用に、新たに 4 つのユーザー インターフェイス コントロールが導入されています。
- TCardPanel は、カードのコレクションを管理する特別なパネル コンポーネントです。一度に 1 つのカードのみアクティブ/可視となり、各カードは他のコントロールのコンテナです。 この新しいコントロールは、左右のジェスチャをサポートしており、カード間をスワイプで移動することができます。新しいカードの追加、カードの選択、カード ボーダーの削除などが、用意されている右クリック メニューで簡単に行えます。また、コレクション内のすべてのカード間でループでき、VCL スタイルでそのルック&フィールもカスタマイズできます。これは、タブなしのページ コントロールと考えることもでき、また、ウィザードスタイル UI を作成する簡単な手段でもあります。
- TStackPanel は新しいコンテナ コントロールであり、それが管理しているすべてのコントロールを、各コントロールの独自の高さや幅の設定を維持しつつ、自動的に垂直または水平に位置揃えすることができます。選択された各方向について、水平上または垂直上の位置から選択することができ、上、中央、下、均等などがあります。
- コントロールは、利用可能なスタック パネルの領域内にフィットするように整列され、その際、定義されているマージンやパディングも考慮されます。
- 新しいモダンな日付ピッカー コントロールは、グレゴリオ暦と複数の日付形式オプションをサポートしています。日付選択ドロップダウンの数のカスタマイズ、年の値の最小/最大値の定義、簡単な日付選択のための[OK]/[キャンセル]ボタンの表示など、容易に行うことができます。
- この新しい コントロールは、VCL スタイルを使用して完全にスタイル化させることができます。
- Windows 10 を想定して設計したものでも、Windows 7 や Windows 8 など、以前のバージョンの Windows でも動作します。
- TTimePicker はピッカー スタイル コントロールで、ユーザーはこれで時間を指定することができます。時間の各要素(時、分、秒、am/pm)は、時間要素に適した値のポップアップ スクロール リストを使用して選択され、これはロケーションによってカスタマイズできます。
- Windows 10 を想定して設計したものでも、Windows 7 や Windows 8 など、以前のバージョンの Windows でも動作します。 またこれは、カスタム VCL スタイルを完全にサポートしています。
更新された IDE ルック&フィール
RAD Studio 10.2.2 は、更新された IDE ルック&フィールを、新しいコンポーネント アイコン や新しい濃色テーマと共に提供しています。
IDE における既存の淡色テーマに加え、濃色テーマを追加しました。夜間時の作業や、濃色スタイルのアプリケーションでの作業、汎用的な生産機能を好む開発者のために設計されています。新たに追加された濃色テーマと、既存の淡色テーマでの切り替えは、IDE 内のデスクトップ ツールバー上で新たに提供されたオプションを介して行われます。この新しい濃色 IDE テーマはまた、新しいエディタの配色パターンと対になっています。
また、この淡色および濃色の両テーマを完全にするため、700 以上のコンポーネント アイコンを新しいモダン スタイルで更新しました。コンポーネント アイコンは、わかりやすく、認識しやすいものになるよう、それらが表すコンポーネントに似せつつ、モダンかつ太字で鮮明なスタイルを使用しています。また、スタートアップ時の新しい IDE レイアウトや、小さいながら便利な機能である、スプラッシュ画面に表示される IDE 読み込み時の進捗バーなどもあります。
インストーラの機能強化
本リリースでは、インストール処理においても、数多くの機能強化が行われています。これには、IDE における新しい濃色テーマとマッチするよう、GetIt インストーラ用インストーラ UI の更新も含まれています。既存のライセンス マネージャ ユーザー インターフェイスは、新しいモダン ルック&フィールと使用感の改善で更新され、Starter から上位エディションへのインストール アップグレード プロセスもシンプルになりました。
更新されたウェルカム ページ
IDE での更新されたウェルカム ページにより、RAD Studio の使用開始が今まで以上に簡単になりました。そこには、今後の Webinar、新しいユーザーのための主要サンプル プロジェクト、EMBARCADERO YouTube チャネル でのビデオなどのリストが掲載されています。
iPhone X のサポート
RAD Studio 10.2.2 では、iOS 11 サポートの強化と iPhone X のサポートが追加されています。
これには、IDE における iPhone X 固有の 起動画面イメージのサポート(info.plist の変更が必要)や、アプリケーション レイアウトの更新、iPhone X の「ノッチ」に合わせたスケーリングまどが含まれます。
JavaScript クライアント サポートのための JSON への TDataSet マッピング
RAD Studio 10.2.2 では、FireDAC BatchMove アーキテクチャに新しいコンポーネントが追加されています:TFDBatchMoveJSONWriter
。このコンポーネントは、TDataset から JSON にデータを簡単いマッピングするために使用でき、希望するフィールドとその名前をカスタマイズでき、JSON の形式を複数の方法で設定します。TDataSet を JSON に変換するには、TFDBatchMoveDataSetReader
と TFDBatchMoveJSONWriter
に接続されている TFDBatchMove
コンポーネントが必要です。出力を設定するには、TJSONArray
オブジェクトまたはストリームを用意して、直接 JSON を記述することも可能です。これは基本的に、サーバー側 RAD サーバーまたは DataSnap アプリケーション(または、その他の Web サービス アーキテクチャのいずれか)において使用されることを想定しており、Sencha ExtJS クライアントや、その他の JavaScript クライアントに適した形式で JSON を生成する手助けをします。
このコンポーネント群は、クライアントや他のタイプのアプリケーションでも使用することができ、TDataSet
の子孫と動作し、FireDAC データセットは必要ありません。
RAD サーバーの単一サイト配置ライセンス
10.2.2 の Delphi、C++Builder、RAD Studio Enterprise エディションおよび Architect エディションにおいて、新たに RAD サーバーの単一サイト/単一サーバー配置ライセンスが含まれるようになりました。
単一サイト ライセンスは、企業のためにソリューションを構築している内部開発者、そして、複数の企業に対してソリューションを構築する ISV の双方にもっとも適しているでしょう。ISVs と内部開発者は等しく、ビルドイン マルチテナント サポートを利用して、顧客それぞれに 1 つずつ、または、1 つの企業のさまざまなオフィス拠点に複数のテナント、といった具合に、個別にテナント群を対応させることができます。その際必要なのは、RAD サーバー内部データベース 1 つを備えた、RAD サーバー 1 つの配置のみです。
RAD サーバーは、ターンキー(すぐに使える)アプリケーション基盤であり、サービス ベースのアプリケーションを迅速に構築および配置します。RAD サーバーは、エンタープライズ データベース統合ミドルウエア、IoT エッジウェア、アプリケーション サービスの配列(ユーザー ディレクトリ、認証サービス、プッシュ通知、インドア/アウトドア地理位置情報、JSON データ ストレージなど)の、公開や管理を行う、自動 Delphi および C++ REST/JSON API を提供しています。
ボーナス アイテム: 同梱されている単一サイト RAD サーバー ライセンスによってカバーされているものに、単一ロケーションへの BeaconFence 配置(ユーザー数無制限、面積制限なし)もあります。
10.2 Tokyo - Release 2 の取得
10.2 Tokyo - Release 2 は、インストーラ(機能インストーラ)や ISO(オフライン インストーラ)の形式で、登録ユーザー Web サイトから入手可能です。
10.2 Tokyo - Release 2 のインストーラは、次の登録ユーザーのダウンロード ページからダウンロードできます:
- Delphi Sydney: http://cc.embarcadero.com/reg/delphi
- C++Builder Sydney: http://cc.embarcadero.com/reg/c_builder
- RAD Studio Sydney: http://cc.embarcadero.com/reg/rad_studio
10.2 Tokyo - Release 2 のインストール
- インストーラを実行します。インストール ウィザードは、10.2 Tokyo - Release 2 をインストールする前に、RAD Studio 10.2 Tokyo を検知しそれをアンインストールします。設定は保存されます。[1]。ただし、安全にために移行ツールを使っても構いません。
- 10.2 Tokyo - Release 2 をインストールします:
- 機能インストーラをダウンロードした場合には、そのインストーラを実行します。
- オフライン インストーラをダウンロードした場合には、ISO をマウントし、
install_RADStudio.exe
を実行します。
インストールは、次のオプションのいずれかを介して、実行することができます:
- 機能インストーラ: インストールする RAD Studio 機能の最初のセットを選択することができ、プログラム言語とターゲット プラットフォームの特定の組み合わせのサポート、言語サポート、ヘルプ リソースなどがあります。 詳細情報については、「機能インストーラ」を参照してください。
- オフライン インストーラ: 稼働しているインターネット接続がないシステム上に RAD Studio をインストールすることができます。RAD Studio をインストールした後、オフライン インストーラでは、さらに機能の追加インストール、もしくはインストールした機能の削除を行うことができます。詳細情報については、「オフライン インストーラの利用」を参照してください。
- メモ: インストールが完了した際、Windows SDK のアンインストールを聞かれたら、[キャンセル]をクリックしてください。RAD Studio 10.2 Sydney および RAD Studio 10.2 Sydney Release 2 の Windows SDK のバージョンは同じです。
プラットフォーム アシスタントの更新
macOS や iOS をターゲットとするクロスプラットフォーム アプリケーションを開発するには、プラットフォーム アシスタント サーバーが必要です。 RAD Studio 10.2 Sydney Release 2 には、新しいバージョンのプラットフォーム アシスタントのインストーラが含まれています(setup_paserver.exe
および PAServer21.0.pkg
を含む)。インストーラ ファイルは、PAServer
フォルダにあります。
プラットフォーム アシスタントの以前のバージョンのアンインストール
Mac の場合、プラットフォーム アシスタントをアンインストールする必要はありませんが、以前のバージョンを削除したければ[ゴミ箱に入れる]コマンドで削除することができます。
Windows では、Uninstall PAServer.exe
を使用して、プラットフォーム アシスタントをアンインストールすることができます(推奨)。この Uninstall プログラムは、プラットフォーム アシスタントのインストール ディレクトリにあります。
- メモ: 各バージョンを実行するポートが違っていれば、1 つのシステム上で複数のバージョンのプラットフォーム アシスタントを共存させることができます。