MSBuild コマンドを使用したプロジェクトのビルド
操作手順:アプリケーションをコンパイルしてビルドする への移動
IDE は、Microsoft の MSBuild エンジンを使用してプロジェクトをビルドします。IDE がすべての処理を行うため、MSBuild の知識がなくてもプロジェクトをビルドできます。ただし、ここで説明する MSBuild のコマンドライン構文を使用して、直接プロジェクトをビルドすることもできます。プロジェクトをビルドすると、[メッセージ]ウィンドウの[出力]タブにビルド結果が表示されます。ビルド イベントを入力している場合は、指定したコマンドとその結果がビルド出力ペインに表示されます。
MSBuild のコマンドライン構文は、次のとおりです。
MSBuild <projectname> [/t:<target name>][/p:config=<configuration_name>][target:Deploy][/p:platform=<platform_node_name>]
コマンドラインを使用したプロジェクトのビルド
- [スタート]メニューから、Embarcadero RAD Studio | RAD Studio コマンド プロント を選択します。コマンドプロンプト ウィンドウが、MSBuild.exe などの RAD Studio ツールを使用するための環境を自動的に設定します。
- メモ: Windows OS の最近のバージョンでは、アプリケーション リスト メニューのショートカットを使用できます。
- プロジェクトを含むディレクトリ(C:\Users\<user>\Documents\Embarcadero\Studio\Projects\MyProject など)に移動します。
msbuild
と入力しますが、まだReturn
は押しません。- プロジェクト名を入力します。 たとえば、
TelePoll.dproj
(Delphi プロジェクトの場合)、UserInfo.cbproj
(C++ プロジェクトの場合)。プロジェクトが現在のディレクトリにない場合は、プロジェクト ディレクトリへの完全なパス名を含める必要があります。 - ターゲットを指定するには、
/t:
タグの後に、プロジェクト ファイルで指定されているターゲットの 1 つを指定します。 標準のターゲット名は、clean
、make
、build
の3 つです。Clean
は、オブジェクト コードなどの生成ファイルを削除してプロジェクトをクリーンにします。Clean
は、[プロジェクト マネージャ]のコンテキスト メニューの[クリーン]に対応します。Make
は、プロジェクトをコンパイルすることを意味します。Make
は、コンテキスト メニューの[コンパイル]に対応します。Build
は、プロジェクトをビルドすることを意味します。Build
は、コンテキスト メニューの[再構築]に対応します。この 3 つのターゲットは、[プロジェクト マネージャ]のコンテキスト メニューの[クリーン]、[コンパイル]、[再構築]と同様です。 デフォルト ターゲットはbuild
です。
- 構成を指定するには、
/p:config =
の後に構成名を入力します。構成を指定しないと、MSBuild は現在アクティブになっている構成を使用します。構成を指定するには、プロジェクト内の既存のビルド構成のうちの 1 つの名前を使用します。 これは[Debug]のようなデフォルトの構成、またはユーザーがプロジェクトに追加した構成のいずれかです。 構成名にスペースが含まれている場合は、/p:config ="My config"
のように二重引用符で囲んだ名前を入力します。 - アプリケーションの配置準備するには、
/target:Deploy
オプションを追加します。 - その他のオプションを入力したら、リターンを押してビルドを開始します。
MSBuild /help
と入力します。MSBuild の詳細については、Microsoft 社のドキュメント(http://msdn.microsoft.com/library/default.aspx)を参照してください。
コマンドラインを使用した Android または iOS アプリケーションのビルド
apk または ipa パッケージ ファイルを作成するには *.deployproj ファイルが必要です。このファイルは IDE からしか生成できません。*.deployproj ファイルを最新のものに更新するには、変更を行うたびに、IDE の配置マネージャからアプリケーションを配置する必要があります。[配置]()をクリックして、ファイルを再作成します。
IDE で以下を行います。
- [プロジェクト マネージャ]で、[ビルド構成]と[ターゲット プラットフォーム]を選択します。
- プロジェクトをコンパイルします。
- [プロジェクト|配置]を選択し、[配置]()をクリックします。
- メモ: これによって、MSBuild で使われる *.deployproj ファイルが生成されます。
- プロジェクトを保存します。
MSBuild で以下を行います。
- 「コマンドラインを使用したプロジェクトのビルド」の手順で、
msbuild <プロジェクト名> ... /p:platform=Android / iOSDevice64
のようにターゲット プラットフォームを指定します。
例
明確にするために、次のサンプル MSBuild コマンドを考えてみましょう:
.apk
インストーラを作成し、C++Builder プロジェクトを Android ターゲット プラットフォームに配置するためには、次の構文と同様のコマンドを使用します:
msbuild MyApps_CBuilder.cbproj /t:Build /p:config=Debug /target:Deploy /p:platform=Android
- Delphi プロジェクトを iOS32 ターゲット プラットフォームに配置するないh、次の構文と同様のコマンドを使用します:
msbuild MyProj_Delphi.dproj /t:Build /p:config=Debug /target:Deploy /p:platform=iOSDevice32
関連項目
- MSBuild
- [Delphi コンパイラ](IDE における MSBuild オプション)
- アプリケーションのコンパイル、ビルド、実行
- IDE コマンド ライン スイッチとオプション
- [構成マネージャ]
- ビルド構成の作成と変更
- RAD Studio によって生成されるファイルの拡張子