オブジェクトからのデータとコードの継承

提供: RAD Studio
移動先: 案内検索

オブジェクト モデルの利用:インデックス への移動

Delphi オブジェクトの概要に示したオブジェクト TForm1 はたいへん単純なものに見えます。TForm1 には 1 つのデータフィールド Button1 と 1 つのメソッド Button1Click だけが記述され,プロパティは記述されていません。ところが,このアプリケーションでは,フォームの表示と非表示,サイズ変更,最大表示ボタンやアイコン化ボタンの追加と削除,MDI アプリケーションに組み込むためのフォームの設定などができます。それは,コンポーネント TForm のプロパティとメソッドをすべて継承しているからです。プロジェクトに新しいフォームを追加する場合は,TForm にコンポーネントの追加,プロパティ値の変更,イベントハンドラの記述を行うことで TForm をカスタマイズしていきます。どのオブジェクトをカスタマイズする場合でも,最初に既存のオブジェクトから新しいオブジェクトを派生させます。プロジェクトに新しいフォームが追加されると,IDE は自動的に TForm 型から新しいフォームを派生させます。

TForm1 = class(TForm)

派生クラスは,派生元クラスのプロパティ,イベント,メソッドをすべて継承しています。派生先のクラスのことを下位クラスといい,派生元のクラスのことを上位クラスと呼びます。オンラインヘルプで「TForm」を調べると,その上位オブジェクトから継承される要素を含め,TForm のすべてのプロパティ,メソッド,イベントのリストを確認できます。Delphi クラスは直接の上位オブジェクトを 1 つしか持つことができませんが,すぐ下には複数の下位オブジェクトを持つことができます。

関連項目