オプション セットの概要

提供: RAD Studio
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C++Builder と Delphi の双方とも、オプション セット ファイルを使用したビルド構成の管理をサポートしています。 どちらの場合も、このトピックで説明するように、オプション セットを参照によりビルド構成に適用することも可能です。

オプション セットは、ビルド関連のプロジェクト オプションとして設定した値が入っているディスク ファイルです。 オプション セットは、.optset という拡張子を持つファイルとして、プロジェクト フォルダに保存されます。 現在のビルド構成に対し、参照または値のいずれかでオプション セットを適用できます。

オプション セットの作成と編集

オプション セットは、プロジェクト マネージャビルド構成(またはビルド構成項目のいずれかから)のコンテキスト メニューから、[オブジェクト セットを新規作成...]コマンドを使用して作成することができます。このコマンドでは、新しい空のオプション セットが作成され、プロジェクトに追加されます。 オプション セットを編集するには、[プロジェクト マネージャ]のコンテキスト メニューで[編集...]コマンドを選択します。 [オプション セットの編集 <オプション セット名>]ダイアログ ボックスが開き、オプション セットに含まれるオプションの値を確認したり変更できます。

オプション セットとビルド構成の比較

オプション セットとビルド構成はどちらも、MSBuild プロジェクト ファイルに関連するオプション値のセットになっています。 主な違いは、ビルド構成がプロジェクト ファイルの中に保存されるのに対して、オプション セットは、プロジェクトとは独立した .optset XML ファイルに保存されるという点です。

プロジェクトの保存とビルドを行うと、変更はビルド構成に保存されますが、オプション セットは個々に保存します([プロジェクト|オプション...]ページの[保存...]ボタンを使用)。 プロジェクトのビルド構成を変更したり、ビルド構成を追加または削除しても、オプション セットには影響しません。 同様に、オプション セットを保存しても、ビルド構成は変わりません。

オプション セットは、参照によるか、値によるかいずれかの方法によりビルド構成に適用できます。 プロジェクトごとに、他のプロジェクトとは関係なく、独自のビルド構成のリストと、参照により追加したオプション セットのリストがあります。 値により追加されたオプション セットは、プロジェクトに継続して適用されることはありません。 ユーザーは、どのプロジェクトからでもすべてのオプション セット ファイルにアクセスできます。

ビルド構成とオプション セットのオプション値

所定のビルド構成やオプション セットには、必ずしも指定可能なすべてのプロジェクト オプションに対して値が指定されているわけではありません。 オプション セットを保存するときは、(すべてのオプションの値ではなく)親の構成とは異なる値だけが保存されます。

たとえば、IDE でプロジェクトを開き、アクティブな構成が[Debug]構成だったとします。 オプションを 1 つ変更して、そのオプション セットを保存します。 オプション セット ファイルに保存されるオプション値は、変更した 1 つのオプション値と、[Debug (アクティブ)]構成のオプション値のうちデフォルトとは異なるものだけです(変更された値は、[プロジェクト|オプション...]ダイアログ ボックスでは太字で表示されます)。

オプション セットを適用する

[オプション セットの適用]ダイアログを使用すると、オプション セット(.optset ファイル)の値を任意のプロジェクトの任意の構成に適用することができます。このダイアログは、[プロジェクト|オプション...]ダイアログ ボックスで[適用...]ボタンを選択すると開きます。

オプション セットは、次の 2 つの方法のいずれかで適用できます:

  • [参照として追加] - 後で親のオプションの値がオプション セット ファイル中で変更された場合には、この構成に適用されたオプション値も更新されるという意味です。
  • [この構成を変更] - この構成に含まれるオプション値は 1 回だけ変更され、親のオプション セットを参照することはないという意味です。

参照としてのオプション セットの適用

[オプション セットの適用]ダイアログ ボックスで[参照として追加]オプションを選択すると、オプション セット内の値が現在の構成に追加され、その値だけが置き換えられます。適用しようとしているオプション セット内に具体的な値が設定されていないオプションには、影響はありません。

後からそのオプション セットを変更すると、そのオプション セットを元に設定された構成の値もすべて、同じように変更されます。 オプション セットを参照として適用すると、オプション セットとビルド構成が永続的に関連付けられます。 [プロジェクト マネージャ]では、参照によって適用されたオプション セットが、関連するビルド構成のノードの下に表示されます。 プロジェクトからオプション セットへの参照を保存するには、プロジェクトに対して行った変更を保存する必要があります。

オプション セット内のプロパティは、[プロジェクト マネージャ]でオプション セットが表示されている順に適用されます。 つまり、複数のオプション セットに含まれているプロパティは、最後に表示されているオプション セットのものがそれより上のオプション セットの値を上書きすることになります。 参照によって適用されているオプション セットの順序は、ドラッグ アンド ドロップで並べ替えることができます。

オプション セットの値の適用によるビルド構成の変更

[オプション セットの適用]ダイアログ ボックスで[この構成を変更]オプションを選択すると、オプション セット内の値が現在のビルド構成([プロジェクト|オプション...]ダイアログ ボックスの[ビルド構成]フィールドにリストされた構成)に適用されます。

これは、1 回限りのアプリケーションの値で、構成とオプション セットとの間にそれ以外の関係はありません。 オプション セットを後で変更しても、ビルド構成には影響しません。

オプション セットの値は、選択した[優先度]に従って、現在のビルド構成に対し、次のように適用されます。

  • [すべての値を置換]を選択すると、ビルド構成はオプション セットをそっくりコピーしたものになります。
  • [オプション セット ファイル]を選択すると、オプション セットの値を現在のビルド構成に追加しますが、構成内のそれ以外のオプションの値は変わりません。
  • [この構成]では、現在のビルド構成内の値はそのままとし、ビルド構成で値が設定されていない値に限り、オプション セットの値を追加します。

関連項目