dbExpress アプリケーションの FireDAC への移行
FireDAC への移行 への移動
このトピックでは、dbExpress アプリケーションを FireDAC に移行する一連の手順を段階的に説明しています。
関連トピック
| トピック | 説明 |
|---|---|
| dbExpress で使用される識別子名との対応関係 | dbExpress の高レベルの型およびコンポーネントの多くは、それらに相当するものが FireDAC にあります。 |
| dbExpress 接続の移行 | dbExpress の名前付き接続を FireDAC 接続定義に移行する方法を説明します。 |
| dbExpress の移行に関するその他のヒント | dbExpress アプリケーションの移行方法に関するその他の考慮事項を説明します。 |
| dbExpress アプリケーションの移行 | dbExpress アプリケーションを FireDAC に移行する方法を段階的に示す例です。 |
はじめに
このトピックは、dbExpress データ アクセス コンポーネント（たとえば TSQLConnection、TSQLQuery、TSQLTable など）を使用している簡単なクライアント/サーバー アプリケーションを FireDAC に移行する方法を示すチュートリアルです。よく使用されるコンポーネント、プロパティ、コードの置き換え、開発者の作業時間の節約、移行時のよくある落とし穴の回避の基本原則を示します。
概要
一般に、FireDAC コンポーネントは、dbExpress データ アクセス コンポーネントと多くの点で異なります。それには、FireDAC と dbExpress のプロパティおよびメソッドの構文とセマンティクスも含まれています。主な違いは次のとおりです。
全般
- dbExpress と FireDAC のコンポーネントには、名前の異なるものがあります。たとえば、dbExpress の TSQLQuery コンポーネントは、FireDAC では TFDQuery になります。
- 基底 API（Data.DBXCommon と Phys インターフェイス）は互換性がありません。Data.DBXXxx ユニットを直接使用するコードがある場合は、FireDAC 向けにコーディングし直す必要があります。
ドライバと TSQLConnection
- dbExpress と FireDAC では、DBMS クライアント ライブラリを指定する方法が異なります。
- dbExpress では、接続パラメータで DBMS クライアント ライブラリを指定できます。
- FireDAC では、TDBPhysXxxDriverLink コンポーネントを使用します。
- 接続パラメータが異なります。
- 名前付き接続、接続定義システム、接続パラメータが異なります。
- トランザクション制御メソッドが異なります。FireDAC にも似たメソッドがありますが、それでも、引数やセマンティクスが少し異なります。
- 追跡機能が異なります。
TSQLDataSet、TSQLQuery、TSQLStoredProc、TSQLTable の各コンポーネント
- dbExpress データセットはすべて単方向データセットです。dbExpress データセットを TDataSetProvider および TClientDataSet と組み合わせると、高度なクライアント側機能を備えた双方向データセットになります。FireDAC データセットは高度なクライアント側機能を備えた双方向データセットです。
- dbExpress には、dbExpress のさまざまなコマンド タイプをサポートしている TSQLDataSet があります。FireDAC には同様のコンポーネントはなく、代わりに TFDQuery、TFDStoredProc、TFDTable のいずれかを使用するように推奨されています。
- dbExpress と FireDAC では、同じ RDBMS に対してデータ型マッピングが異なる場合があります。FireDAC では、dbExpress のデータ型マッピングによく似たマッピング スタイルに従っています。ただし、FireDAC には、データ型マッピングを調整する強力な機能があります。
- dbExpress と FireDAC では、パラメータのバインディング モードが異なります。
- dbExpress では、位置によるバインディングを使用します。
- FireDAC では、名前によるバインディング（デフォルト モード）と位置によるバインディンのどちらかを選択できます。
これが、dbExpress から FireDAC に移行する間に考慮し変更しなければならないことのほぼすべてです。移行後は（または移行と並行して）、アプリケーションをレビューして以下のことを検討します。
- FireDAC の拡張機能を使用して、アプリケーションを簡素化すること。
- FireDAC の拡張機能を使用して、アプリケーションの機能を拡張すること。
- FireDAC のオプションを使用して、アプリケーションを微調整し高速化すること。