ビジュアル コンポーネント ライブラリ(VCL)の導入

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RAD Studio は、ネイティブの Windows アプリケーションをきわめて簡単に構築することができる、強力な統合開発環境です。 ビジュアル コンポーネント ライブラリVCL とも呼ばれます)では、ビジュアルおよび非ビジュアルの多数のコントロールまたはコンポーネントを提供しているため、ほとんどどのようなユーザー インターフェイスでも構築することができます。 VCL の他にも RAD Studio は、幅広いルーチンやクラスを含むライブラリを備えています。ランタイム ライブラリ(またはRTL)と呼ばれるもので、すべてのアプリケーションで必要な共通機能を提供します。RAD Studio における RTL と VCL 間の違いは、RTL は System unit scope で、VCL は Vcl unit scope で実装されている点です。しかしながら、本ドキュメントのほとんどでは、VCL-RTL をシンプルに VCL と言及しています。

他の技術に比べて、VCL のもっとも重要な利点は、次のとおりです:

  • Windows UI フレームワークが提供するすべてのコントロールを含む標準コンポーネント群。 ボタン、編集ボックス、メニューなどのコンポーネントから構成されます。 VCL では、さらに一部のコントロールを拡張して、Windows コントロールが標準で備えている以上の機能を提供しています。
  • 通常は Windows UI フレームワークに含まれない拡張コンポーネント群。 これらのコンポーネントは、標準コンポーネントに基づいて構築されています。
  • アクションという主要概念を VCL アプリケーション全体で使用することで、ユーザー インターフェイスの対話ロジックを一元管理することができます。
  • 設計時にデータ ソースにリンクさせることができる、いくつかのデータベース対応コンポーネント。 これらのコンポーネントは、データベース アプリケーションで広く使われます。
  • Windows Vista や Microsoft Office 2007 のルック アンド フィールとうまく一体化する、次世代ユーザー インターフェイスを構築するためのリボン コントロール。 「リボン コントロールを使用したアプリケーションの作成方法」を参照してください。
  • DBExpress および dbGo データベース フレームワーク。 これらのフレームワークは、すべてのデータベース対応コントロールと合わせて使うことができ、その結果、これまでになく簡単にアプリケーションを開発することができます。 「データベース アプリケーションの開発」を参照。
  • インターネットに接続するアプリケーションで使うための多数のコンポーネントを提供する Internet Direct(Indy とも呼ばれます)。 Indy には、現在使われている主要なインターネット通信プロトコル用の、クライアント コンポーネントおよびサーバー コンポーネントが含まれます。
  • 分散アプリケーションを構築するための DataSnap。 「多層アプリケーションの作成:インデックス」を参照。
  • 公開された OLE オブジェクトや ActiveX オブジェクトを、アプリケーションに簡単に統合することができます。 RAD Studio では、公開された ActiveX をラップするコンポーネントを作成するためのツール群を提供しています。 このラッパー コンポーネントは、アプリケーション内で通常の VCL コンポーネントとして使用できます。 COM ベース アプリケーションの開発を参照してください。


VCL で提供されているコンポーネントはこれがすべてではありませんが、先に言及されたコンポーネントが最もよく使われ、評価されている VCL コンポーネントです。 利用可能なすべてのコンポーネントを確認するには、RAD Studio の[ツール パレット]を見てください。


関連項目