暗黙的接続の利用
データベースへの接続:インデックス への移動
どのデータアクセスメカニズムを使用している場合でも,明示的に接続コンポーネントを作成し,それを使用して,データベースサーバーへの接続と通信を管理することができます。さらに,BDE 対応および ADO ベースのデータセットの場合には,データセットのプロパティによってデータベース接続を記述し,データセットに暗黙の接続を生成させるオプションがあります。BDE 対応のデータセットでは,DatabaseName プロパティを使って暗黙の接続を指定します。ADO ベースのデータセットでは,ConnectionString プロパティを使用します。
暗黙の接続を使用する場合,接続コンポーネントを明示的に作成する必要はありません。これにより,アプリケーション開発を簡素化できます。また,デフォルト接続の指定によって,広範な状況に対応できます。ただし,多数のユーザーがいてデータベース接続の条件が異なる複雑なミッションクリティカルなクライアント/サーバーアプリケーションについては,独自の接続コンポーネントを作成して,それぞれのデータベース接続をアプリケーションのニーズに合わせて調節しなければなりません。明示的な接続コンポーネントを使用すれば,きめ細かな制御を行えます。たとえば,以下のタスクを実行するには,接続コンポーネントにアクセスする必要があります。
- データベースサーバーへのログインサポートのカスタマイズ (暗黙の接続では,ユーザー名およびパスワードの入力を要求する,デフォルトのログインダイアログが表示されます)
- トランザクションの制御とトランザクション排他レベルの指定
- データセットを使用せずに,サーバー上で SQL コマンドを実行すること
- 同じデータベースに接続されているすべての開いたデータセット上でアクションを実行すること
加えて,すべて同じサーバーを使用する複数のデータセットがある場合,使用するサーバーの指定を 1 箇所だけで行えばよいので,接続コンポーネントの使用はより容易になります。そうすれば,後からサーバーを変更する場合でも,接続コンポーネントだけを更新すればよく,複数のデータセットコンポーネントを更新する必要はありません。