TADODataSet の利用
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TADODataSet は、ADO データ ストアのデータを扱うための汎用データセットです。他の ADO データセット コンポーネントとは異なり、TADODataSet は、テーブル タイプ、クエリ タイプ、ストアド プロシージャ タイプのどのタイプのデータセットでもありません。むしろ、このデータセットは、これらのどのタイプとしても機能できます。
- TADODataSet では、テーブル タイプのデータセットのように、単一のデータベース テーブルのすべての行と列を表すことができます。このように使用する場合は、CommandType プロパティに cmdTable を設定し、CommandText プロパティにテーブルの名前を設定します。TADODataSet では、テーブル タイプの下記タスクをサポートしています。
- インデックスを割り当てて、レコードをソートしたり、レコードベース検索の基礎を形成することができます。標準のインデックス プロパティおよびメソッドに加えて、TADODataSet では Sort プロパティを設定することにより、一時インデックスを使ってソートを行えます。Seek メソッドを使って実行されるインデックスベースの検索では、現在のインデックスが使用されます。
- データセットを空にすることができます。DeleteRecordsDeleteRecords メソッドでは、削除するレコードを指定できるため、他のテーブルタイプ データセットの関連メソッドよりも制御が強化されています。
TADODataSet でサポートされているテーブル タイプのタスクは、CommandType を cmdTable に設定していない場合でも実行できます。
- TADODataSet では、クエリ タイプのデータセットのように、データセットを開いたときに実行される SQL コマンドを 1 つだけ指定することができます。このように使用する場合は、CommandType プロパティに cmdText を設定し、CommandText プロパティに実行対象の SQL コマンドを設定します。設計時には、[オブジェクト インスペクタ]で CommandText プロパティをダブルクリックし、コマンド テキスト エディタで SQL コマンドを作成できます。TADODataSet では、クエリ タイプの下記タスクをサポートしています。
- クエリでパラメータを使用することができます。
- パラメータを使ってマスタ/詳細関係をセットアップすることができます。
- Prepared プロパティを True に設定することにより、クエリをあらかじめ準備してパフォーマンスを向上させることができます。
- TADODataSet では、ストアド プロシージャ タイプのデータセットのように、データセットを開いたときに実行されるストアド プロシージャを指定することができます。このように使用する場合は、CommandType プロパティに cmdStoredProc を設定し、CommandText プロパティにストアド プロシージャの名前を設定します。TADODataSet では、ストアド プロシージャ タイプの下記タスクをサポートしています。
- ストアド プロシージャのパラメータを操作することができます。
- 複数の結果セットを取得することができます。
- Prepared プロパティを True に設定することにより、ストアド プロシージャをあらかじめ準備してパフォーマンスを向上させることができます。
さらに、TADODataSet では、CommandType プロパティに cmdFile を設定し、CommandText プロパティにファイルの名前を設定することにより、そのファイルに格納されているデータを操作することもできます。
CommandText プロパティと CommandType プロパティを設定するには、その前に Connection プロパティまたは ConnectionString プロパティを設定することにより TADODataSet をデータ ストアにリンクする必要があります。この手順については、「ADO データセットのデータ ストアへの接続」を参照してください。別の方法として、RDS DataSpace オブジェクトを使用して TADODataSet を ADO ベースのアプリケーション サーバーに接続することもできます。RDS DataSpace オブジェクトを使用するには、RDSConnection プロパティに Data.Win.ADODB.TRDSConnection オブジェクトを設定します。