データセットについて:概要
データセットの理解:インデックス への移動
データへアクセスための基本的な単位が、オブジェクトのデータセット ファミリーです。アプリケーションは、どのデータベースでアクセスするときもデータセットを使用します。データセット オブジェクトは、論理テーブルに整理されたデータベースの、一連のレコードを表します。これらのレコードは、単一のデータベース テーブルから取得したものもあれば、クエリまたはストアド プロシージャを実行した結果の場合もあります。
データベース アプリケーション内で使用するデータセット オブジェクトはすべて、Data.DB.TDataSet から派生し、このクラスから、データ フィールド、プロパティ、イベント、およびメソッドを継承します。
TDataSet は仮想データセットで、つまり、そのプロパティやメソッドは、virtual または abstract で宣言されています。仮想メソッド は、関数またはプロシージャの宣言で、そのメソッドの実装は、下位オブジェクトにてオーバーライドすることができ、多くの場合はそうされます。抽象メソッド は、関数またはプロシージャの宣言で、実際の実装がありません。宣言は、メソッド(および、ある場合にはそのパラメータや戻り値)を記述するプロトタイプで、すべての下位データセット オブジェクトにて実装されなければなりませんが、オブジェクト各々によって異なるように実装されることが可能です。
TDataSet は 抽象メソッドを保有しているため、アプリケーション内から直接それを使えば、実行時エラーが発生します。代わりに、アプリケーション内で、組み込みの TDataSet 下位オブジェクトのインスタンスを作成して使用するか、独自のオブジェクトを TDataSet またはその下位オブジェクトから派生させ、その抽象メソッドすべての実装を記述します。
TDataSet は、すべてのデータセット オブジェクトに共通する機能を多く定義しています。たとえば、TDataSet は、すべてのデータセットの基本構造として、1 つまたは複数のデータベース テーブル内の実際の列に対応する Data.DB.TField コンポーネントの配列や、アプリケーションで提供されるルックアップ フィールドまたは計算フィールドなどを定義しています。TField コンポーネントの情報については、「項目コンポーネントの操作」を参照してください。
下記のトピックでは、TDataSet で提供される共通データベース機能の使用方法について説明されています。 ただし、TDataSet がこの機能のためのメソッドを提供していても、その TDataSet 下位オブジェクトのすべてが、それらメソッドを実装しているわけではない点に注意してください。特に、単方向データセットでは、限られたサブセットしか実装されていません。
- TDataSet の下位オブジェクトの利用
- データセットの状態の決定
- データセットを開く/閉じる
- データセットの操作
- データセットの検索
- フィルタを使用したデータのサブセットの表示と編集
- データの変更
- フィールドを計算する
- データセットの種類