VCL での AppAnalytics の使用
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RAD Studio には、Delphi および C++Builder で書かれた VCL Win32 および VCL Win64 アプリケーション向けに AppAnalytics が統合されています。
VCL 用の AppAnalytics では、Windows メッセージ キューを使ってアプリケーション データを取得します。
目次
VCL での AppAnalytics の導入
VCL で AppAnalytics を使用するには、アプリケーションに TAppAnalytics コンポーネント()をドロップする必要があります。その後、[オブジェクト インスペクタ]で ApplicationID を追加する必要があります。
メモ: アプリケーションで AppAnalytics を使用するには、AppAnalytics アカウントとアプリケーション ID を入手する必要があります。
AppAnalytics がアクティブになったら、数分後には AppAnalytics Web インターフェイスで使用状況の分析結果が得られます。
AppAnalytics でのデータ収集をアクティブ化/非アクティブ化する
アプリケーションの使用セッション全体について情報を得られるよう、設計時に AppAnalytics をアクティブ化することができます。ただし、ユーザーが実行時に AppAnalytics をアクティブ化できるようにすることも可能です。
ユーザーが初めて AppAnalytics をアクティブ化すると、プライバシーに関するメッセージが現れ、アクションを追跡することをユーザーに通知します。AppAnalytics が収集するのは匿名データだけです。このプライバシーに関するメッセージのダイアログ ボックスには[OK]を求めるメッセージが表示されますが、情報の追跡をアクティブにするか非アクティブにするかをエンド ユーザーが指定することはできません。
メモ: この画像には、プライバシーに関する注意のデフォルト テキストが表示されています。このテキストは、PrivacyMessage プロパティで変更できます。
エンド ユーザーが情報の追跡を開始/停止できるようにするには、VCL で AppAnalytics に実装されている CheckPrivacy メソッドを使用します。このメソッドを使用すると、ユーザーに許可を求めるダイアログ ボックスが表示されます。
- 警告: 開発者もユーザーも、個人情報や個人を特定できる情報をこの接続で送信してはなりません。そのような情報の送信はプライバシー ポリシーに違反します。
VCL における AppAnalytics の追跡オプションを構成する
AppAnalytics が自動的に収集するデータは、TAppAnalytics.Options プロパティのパラメータを任意の組み合わせで選択して決めることができます。
デフォルトでは、VCL で AppAnalytics をアクティブ化すると、以下の状況でその情報が追跡されます。
- アプリケーションが開始または終了する(
aoTrackStartup
)。 - アプリケーションのアクティブなフォームが変更される(
aoTrackFormActivate
)。 - 例外が発生して最上位に伝えられ、アプリケーション レベルで捕捉される(
aoTrackExceptions
)。
AppAnalytics では TrackEvent も実装されています。機能の使用状況や、パフォーマンス データ、その他のイベントを追跡したい場合には、これを使用してカスタム イベント追跡を行うことができます。ただし、その情報は匿名でなければなりません。
その他の構成オプション
CacheSize プロパティを使用して、AppAnalytics で最大何件のイベントを収集したら、サーバーに送信して分析するかを指定することができます。このプロパティは、デフォルトで 500 に設定されています。
また、AppAnalytics が収集したデータをサーバーに自動的に送信する間隔を指定することもできます。この間隔は、UpdateInterval プロパティに設定します(単位はミリ秒)。デフォルト値は 600 ミリ秒です。
AppAnalytics でのエンド ユーザーのカウント方法
AppAnalytics では、1 台のクライアント マシンで 1 つのユーザー アカウントを使用して 1 つのアプリケーションを使用しているユーザーを、1 人のエンド ユーザーとカウントします。具体的に言うと、エンド ユーザーとは、1 つの ApplicationID と 1 つの Windows ユーザー アカウント(HKEY_CURRENT_USER レジストリ キーで決まるもの)の組み合わせです。
カスタム イベントを追跡する
AppAnalytics を使用すると、コードを 1 行書くだけでカスタム イベントを作成できます。カスタム イベントの追跡によって、ユーザーによるボタンのクリック、メニュー オプションの選択、ドラッグ アンド ドロップ操作など、アプリケーションをユーザーがどのように使用するかをより詳細に調べることができます。
カスタム イベントを追跡するには、TAppAnalytics の TrackEvent メソッドを呼び出す必要があります。
詳細は、Vcl.AppAnalytics.TAppAnalytics.TrackEvent およびカスタム イベントを追跡する VCL コードを参照してください。
関連項目
コード サンプル
- VCL.AppAnalytics サンプル
- FMX.AppAnalytics サンプル(Delphi および C++ 向け)
- カスタム イベントを追跡する FireMokey コード
- カスタム イベントを追跡する VCL コード