プロジェクトの作成
あらゆるアプリケーション開発はプロジェクトを中心に展開します。Delphi でアプリケーションを作成するときは、プロジェクトを作成することになります。プロジェクトは、アプリケーションを構成するファイルの集まりです。これらのファイルの中には、設計時に作成されるものがあります。その他には、プロジェクト ソース コードをコンパイルしたときに自動的に生成されるものもあります。
[プロジェクト マネージャ]というプロジェクト管理ツールで、プロジェクトの内容を確認できます。[プロジェクト マネージャ]には、ユニット名とユニットに含まれているフォーム(存在する場合)が階層的に一覧表示されるほか、プロジェクト内のファイルのパスも表示されます。これらのファイルの多くは直接編集することもできますが、多くの場合、フォーム デザイナや[ツール パレット]でビジュアル ツールを使用した方が簡単かつ確実です。
プロジェクト階層の一番上にあるのは、プロジェクト グループのプロジェクト ファイル(ファイル拡張子は .groupproj
)です。複数のプロジェクトを 1 つのプロジェクト グループにまとめることができます。これにより、一度に複数のプロジェクトを[プロジェクト マネージャ]に開くことができます。プロジェクト グループを作成すると、関連する複数のプロジェクト(たとえば、連携して機能するアプリケーションや多層アプリケーションの構成要素など)を整理して取り扱うことができます。1 つのプロジェクトにのみ取り組む場合は、アプリケーションを作成するのにプロジェクト グループ ファイルは必要ありません。
プロジェクト ファイルは、個々のプロジェクト、ファイル、関連オプションを記述したもので、拡張子は .dproj
(Delphi の場合)または .cbproj
(C++Builder の場合)です。プロジェクト ファイルには、アプリケーションや共有オブジェクトをビルドするための命令が記述されています。[プロジェクト マネージャ]を使ってファイルの追加や削除を行うと、プロジェクト ファイルが更新されます。プロジェクトのオプションは、[<プロジェクト名> のプロジェクト オプション]ダイアログ ボックスを使って指定します。このダイアログ ボックスには、プロジェクトのさまざまな側面(フォーム、アプリケーション、コンパイラなど)に対応するタブがあります。これらのプロジェクト オプションは、プロジェクトと一緒にプロジェクト ファイルに保存されます。
ユニットとフォームは、アプリケーションの基本的な構成要素です。プロジェクトでは、プロジェクト ディレクトリ ツリーの外部に存在するものも含めて、既存の任意のフォームやユニット ファイルを共有することができます。その中には、スタンドアロン ルーチンとして作成されたカスタムの手続きや関数なども含まれます。
なお、共有ファイルをプロジェクトに追加しても、そのファイルは現在のプロジェクト ディレクトリにコピーされるわけではなく、現在の場所にとどまっています。現在のプロジェクトに共有ファイルを追加すると、そのファイル名とパスがプロジェクト ファイルの uses 句に登録されます。プロジェクトにユニットが追加されると、Delphi 側で自動的にこの処理が行われます。
プロジェクトをコンパイルするときは、そのプロジェクトを構成するファイルがどこにあってもかまいません。コンパイラでは、共有ファイルを、プロジェクトそのもので作成されたファイルと同じように扱います。