ディスク上の専用ファイルの使用

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最も単純な形のデータベース アプリケーションでは、データベース サーバーをまったく使用しません。そのかわりに、データセットをファイルに保存したりファイルからデータを読み込むための、クライアント データセットの MyBase という機能を使用します。このアーキテクチャを次の図に示します。

DBDARCH2.jpg

このファイルベースのアプローチでは、アプリケーションはクライアント データセットの SaveToFile メソッドを使ってディスクに変更を書き込みます。SaveToFile が受け取るパラメータは 1 つで、テーブルを格納するために作成(または上書き)されるファイルの名前です。以前に SaveToFile メソッドで書き込まれたテーブルを読むには、LoadFromFile メソッドを使用します。LoadFromFile が受け取るパラメータも 1 つで、そのテーブルを格納しているファイルの名前です。

読み込みおよび保存を行うファイルが常に同じであれば、SaveToFile メソッドおよび LoadFromFile メソッドではなく、FileName プロパティを使用することができます。FileName に有効なファイル名が設定されていると、クライアント データセットが開かれたときにそのファイルからデータが自動的に読み込まれ、クライアント データセットが閉じられたときにそのファイルにデータが自動的に保存されます。

このような単純なファイルベースのアーキテクチャは、単層アプリケーションです。データベース情報を操作するロジックは、データ モジュールに分離されてはいるものの、ユーザー インターフェイスを実装しているのと同じアプリケーションに含まれます。

ファイルベースのアプローチには、単純であるという利点があります。データベース サーバーをインストール、構成、配置する必要はありません(midaslib.dcu を静的にリンクしない場合は、クライアント データセットで midas.dll が必要になります)。サイト ライセンスやデータベース管理は不要です。

さらに、Delphi のいくつかのバージョンでは、任意の XML ドキュメントと、クライアント データセットが使用するデータ パケットとの変換を行うことができます。そのため、ファイルベースのアプローチでは、専用のデータセットだけではなく XML ドキュメントも扱うことができます。XML ドキュメントとクライアント データセット データ パケットとの変換については、「データベース アプリケーションでの XML の使用」を参照してください。

ファイルベースのアプローチでは複数ユーザーをサポートしていません。データセットは完全にそのアプリケーション専用になります。データはディスク上のファイルに保存され、後で読み込まれますが、複数のユーザーが互いのデータ ファイルを上書きするのを防ぐ仕組みは組み込まれていません。

データをディスク上に格納するクライアント データセットの使い方の詳細は、「クライアント データセットでのファイルベースのデータの使用」を参照してください。

関連項目