Delphi 言語をサポートしている C++ クラス
Object Pascal のデータ型および言語構文要素のうち、相当するものが C++ に組み込まれていないものについては、C++ でクラスまたは構造体として実装されています。データ型や set などの Object Pascal の言語構文要素の実装にはクラス テンプレートも使用されていて、そこから具体的な型を宣言することができます。これらの宣言は以下のヘッダー ファイルに含まれています。
ヘッダー ファイル | 定義されているクラス |
---|---|
dstring.h |
SmallString および ShortString(固定長文字列) |
wstring.h |
WideString(COM とやり取りするための BSTR ラッパー) |
sysclass.h |
一部の Delphi 型(AnsiString、UnicodeString、SmallString、Currency、TDateTime、Variant)のマクロおよび C++ ストリーム演算子(>) |
syscomp.h | Comp(下位互換性を保つための浮動小数点型) |
syscurr.h | Currency(通貨値に使用) |
sysdyn.h | DynamicArray(サイズ変更可能な Delphi 形式の汎用配列型) |
sysmac.h |
RAD Studio ライブラリのコンパイル時に Delphi コンパイラが使用するよう設計された次のマクロが含まれます。PACKAGE、PASCALIMPLEMENTATION、DELPHICLASS、DYNAMIC、HIDESBASEDYNAMIC および HIDESBASE、DECLSPEC_DRTTI、DECLSPEC_DRECORD、BEGIN_MESSAGE_MAP と END_MESSAGE_MAP、クラス StaticArray(Delphi コードで関数から配列を返すことができるようにするためのもの) |
sysopen.h | OpenArray 型と、OPENARRAY()、ARRAYOFCONST()、EXISTINGARRAY()、ARRAYSIZE()、SLICE() の各マクロ(Delphi にオープン配列引数を渡すためのもの) |
sysset.h | Set(Delphi 互換の型指定ビットセット クラス) |
systdate.h | TDateTime(日付/時刻を格納するための型。簡便に利用および変換するための補助メソッドを持ちます) |
systobj.h | TObject(Delphi 形式のクラス群の最上位の基底クラス)、DelphiInterface(インターフェイス用の汎用スマート ポインタ)、interface_cast(異なるインターフェイス間またはインターフェイスとオブジェクトとの間でキャストするためのもの)、TInterfacedObject、TCppInterfacedObject、TAgreggatedObject、TCppAgreggatedObject、TContainedObject(インターフェイスを実装するクラスの基底クラス)、TCustomAttribute(カスタム Delphi 属性の基底クラス) |
systvar.h | TVarRec (Delphi オープン配列のサポート。直接使用せず、OPENARRAY() および ARRAYOFCONST() マクロを使用してください) |
systvari.h | OleVariant(COM の Variant 型をカプセル化したもの)および Variant(Delphi の Variant 型をカプセル化したもの) |
ustring.h | UnicodeString(UTF-16 文字列型) |
これらのヘッダー ファイルに実装されているクラスは、Object Pascal ルーチンで使用されるネイティブ型をサポートするために作成されています。これらのクラスは、RAD Studio ライブラリの上に作成するコードからこれらのルーチンを呼び出すときに使用するためのものです。