RTL(ランタイム ライブラリ)の利用
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Delphi ランタイム ライブラリ(つまり RTL)は、VCL および FireMonkey コンポーネント ライブラリ の大部分の基礎を成す多数の基本ユニットで構成されます。RTL には、グローバル ルーチン、ユーティリティ クラス(ストリームやリストを表すものなど)、クラス(TObject、TPersistent、TComponent など)が含まれています。
FireMonkey や VCL と密接に連携しているとはいえ、RTL には、[ツール パレット]に表示されるコンポーネントはどれも含まれていません。むしろ、RTL のクラスやルーチンは、[ツール パレット]に表示されるコンポーネントで使用されており、VCL プロジェクトまたは FireMonkey プロジェクトのアプリケーション コードや独自のクラスを記述する際に使用することができます。
Delphi および C++ アプリケーションは、両者とも Delphi RTL を使用できます。 Delphi RTL は、.pas
ファイルの拡張可能ライブラリから構成されており、これらファイルは、Delphi コンパイラ(DCC32.exe など)でコンパイルされます。 その後、Delphi コンパイラは、C++ ヘッダー ファイルを出力して、C++ コンパイラが使用できるようにします。 したがって、Delphi も C++Builder も Delphi RTL を使用します。 RTL の Delphi および C++ の、クラスやメンバーについては、ライブラリ リファレンス にて、VCL および FireMonkey のライブラリと共に、説明されています。
メモ: Delphi RTL と C ランタイム ライブラリを混同しないでください。 Delphi RTL 内のルーチンの多くは、C ランタイム ライブラリ内のルーチンと同じ機能を果たしますが、Delphi RTL 関数の名前は大文字で始まり(FindClose など)、C RTL 関数の名前は小文字で始まり、ときにはアンダースコアが前に付くので(exp など)、識別することができます。 また、Delphi RTL 関数は、Delphi ユニットのヘッダー内で宣言されるのに対し、C RTL 関数は、C++ ヘッダー ファイル(
.h
)で定義されます。例:
関連セクション
メモ:
- System ユニットには、Delphi Run-Time Library(RTL)のほとんどがあります。
- 次のトピックのセクションやグループでは、RTL を構成する数多くのクラスやルーチンを挙げ、これら RTL メンバーの使用方法について説明します。
- ただし、ランタイム ライブラリの多くの重要なクラスやルーチンは、以下のトピックでは説明されていません。このような説明されていないルーチンには以下のものがあります(ただし、これだけに限りません)。
- 数学関数(System.Math ユニットで定義)
- 日時の値を操作するルーチン(ユニット System.SysUtils および System.DateUtils で定義)
- Variant 値を操作するルーチン(System.Variants ユニットで定義)
- またヘルプにも、RTL 関連の関数および型が一覧されています。「API カテゴリ:インデックス」を参照してください。