13 Florence - Release 2
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RAD Studio 13.2 Florence の更新版がリリースされました(2026年9月17日)
13.2 における製品領域での主な強化点
RAD Studio 13 Florence - Release 2(別名 13.2)がインストール可能となりました。 RAD 13.2 は、RAD Studio 13 の機能セット上に構築されており、製品全体にわたって既存機能の強化と、新機能の追加が行われています。
次のセクションでは、13.2 の主な改善点について分野ごとに説明します。 主な品質向上が行われた領域は次のとおりです:
- IDE と IDE ツール
- サードパーティ製フォーマッタ向け OpenTools API
- Delphi LLVM20 Linux コンパイラ
- Windows Arm64EC
- C++ Clang 20 コンパイラとツールチェーン
- デバッガ
- Delphi Android
- 新しい VCL コントロール
- FMX スタイル デザイナの拡張
- FireDAC
- WebStencils とインターネット
- RAD Server
IDE と IDE ツール
このセクションでは、IDE と IDE ツールの強化および改善について詳しく説明します。
RAD Studio 13.2 リリースでは、Navigator プラグインを統合し、エディタのミニマップでアクティブ行を示す機能を強化したほか、スクロールバー注釈、ブレークポイント、およびエラー インサイト注釈のサポートを追加しました。
- 移動: コードベース内のユニット、型、メソッド、およびその他のシンボルにすばやくアクセスできる、高速なナビゲーション ダイアログです。
- 設定: Navigator の設定は、[ツール オプション]ダイアログ ボックスにあります。
- ミニマップ: 現在のモジュールのプレビューを、コード エディタの横に表示します。
サードパーティ製フォーマッタ向け OpenTools API
IDE では、新しい OTA インターフェイスが提供されています:
これらのインターフェイスには、フォーマッタを登録および登録解除するための関数(AddFormatter / RemoveFormatter)が含まれています。
コード インサイト オプション ウィンドウの再編成
このリリースでは、コード インサイト オプション ページを再編成し、言語ごとに個別のページを追加しました。
IDE の向上
RAD Studio IDE には、このほかにもさまざまな改善と重要な品質修正が加えられています。 そのうち特に重要なものを以下に示します。
FMX スタイル ビューア ツールの HighDPI サポート
FMX スタイル ビューアのツールは DPI 非対応であったため、高解像度ディスプレイで適切にスケーリングされませんでした。 このリリースでは、Per-Monitor v2 サポートを備えた High DPI 対応へと更新されています:
- FMXControlStyleViewer.exe
- FMXMetropolisUIStyleViewer.exe
- FMXMobileStyleViewer.exe
- FMXStyleViewer.exe
- FMXWinModernStyleViewer.exe
IDE Insight の改善
このリリースには、IDE Insight に関する次の改善が含まれています:
ユーザー エクスペリエンスを向上させるため、[一致するものが見つかりません]ダイアログを強化しました。
ユーザーが好みの IDE Insight の動作を設定できる、新しい IDE Insight オプション ウィンドウを追加しました。
間隔を改善し、IDE テーマに対応した色をサポートすることで、IDE Insight ポップアップの項目表示を改善しました。
エディタでの中かっこ/丸かっこの対応付けの改善
このリリースでは、Delphi と C++ の両方について、エディタでの中かっこおよび丸かっこの対応付けに関する既存の問題を修正しました。 この改善では、次のシナリオが考慮されています:
- 対となる文字の一方が文字列またはコメント内にある場合は、同じく文字列またはコメント内にある文字とのみ対応付けます。
- 対となる文字の一方が文字列またはコメント内にない場合は、同じく文字列にもコメントにも含まれない文字とのみ対応付けます。
- すでに文字列またはコメント内にある場合は、nestable フラグを無視します。
- 暗黙の方向を持たないペアについては、両側の構文強調表示を調べて、開始側か終了側かを判断します。
フォーム継承の改善
このリリースには、フォーム継承に関する複数の改善が含まれています。HighDPI IDE での基本フォームと継承フォームのスケーリングがより適切に考慮されるようになったほか、IDE で継承フォームを開いたときの基本フォームの自動オープンが改善され、長年にわたる関連問題もいくつか修正されています。
1 つずれた挿入の問題への対応
このリリースでは、IDE CodeManager を使用してイベント ハンドラやプロジェクト ファイル情報などのコードを追加するとき、ソース コードで CRLF(キャリッジ リターン+ライン フィード)ではなく LF(ライン フィード)が使われている場合に発生していた、エディタの長年の問題を修正しました。
LF と CRLF のどちらでも、エディタでエラーが発生することなく期待どおりに動作するようになりました。
新しいコントロール ヒント
以前の VCL デザイナでは、以下のように、マウス ポインタの下にあるコントロール上に基本情報を表示することで、コンポーネントおよびコントロールのヒントを提供していました:
画像を追加
Florence 13.2 リリースでは、表示される情報が大幅に拡充され、より滑らかな書式設定と Boolean 値などの特定情報に対する視覚的なサポートにより、読みやすさも向上しています。 現在、ボタンのヒントは次のように表示されます:
画像 2 を追加
その他の IDE での変更
- このリリースでは、複数行プロパティ エディタを使用するように設定が更新され、コレクション内で複数行の文字列値を使用できるようになりました。
- このリリースでは、バイナリ リテラル、数値区切り記号、生文字列リテラルなどの C++ 機能について、IDE の構文強調表示が改善されました。
- RAD Studio 13.2 では、オブジェクト インスペクタの単一文字列に対する 2K の制限がなくなりました。 この変更は、オブジェクト インスペクタの複数行文字列プロパティ エディタには影響しません。
- IDE で開いているすべてのモジュールを再読み込みするための新しいエディタ オプション[開いているモジュールを再読み込み]を追加しました。モジュールを再読み込みできない場合は警告が表示されます。
- より省スペースな UI を実現するため、メイン メニューを IDE のタイトル バーに配置するオプションを追加しました。
- C++ で、末尾がバックスラッシュ(\)の行コメントによって予期しない結果が生じる問題を修正しました。
- ユーザーの clang-format ファイルが存在する場合でも、C++ フォーマッタがクラッシュしなくなりました。
- IDE では、キーボード ショートカットが(最新の UI スタイルを使用した)キー キャップとして表示されるようになりました。
コンパイラ、ツールチェーン、およびプラットフォーム
このセクションでは、コンパイラ、ツールチェーン、およびプラットフォームの改善について詳しく説明します。
Delphi LLVM20 Linux コンパイラ
13.2 リリースでは、LLVM 20 のサポートなど、Delphi Linux コンパイラに大幅な更新が加えられ、RAD Studio 13.1 で導入された Arm64EC Delphi コンパイラと同等のレベルになりました。 新しいコンパイラ自体も 64 ビット バイナリであるため、64 ビット版 RAD Studio IDE に統合できます。
以前、Linux 用 Delphi コンパイラ DCCLINUX64 では、バックエンドとして LLVM v3.3 が使用されていました。 現在は、DCCARM64EC と同じバックエンドである LLVM v20.1.8 を使用するようにアップグレードされています。
LLVM v20.1.8 の LLD をカスタマイズした dcc-ld.lld.exe が、非推奨の GNU gold リンカ ld-linux.exe に代わる正式なリンカとして使用されるようになりました。 これは、DCCARM64EC で使用されているものと同じリンカ テクノロジです。
さらに、このリリースでは DWARF v2 から v4 にアップグレードされ、より完全なデバッグ情報が得られるようになりました。また、デバッグ メタデータの生成方法を改善するフロントエンドのリファクタリングも含まれています。
この更新での重要な変更点は、アプリケーションが glibc 2.31 にリンクされるようになったことです。 そのため、Ubuntu 18.04 など、Ubuntu 20.04 LTS より古いディストリビューションでのアプリケーションの動作は想定されていません。
Ubuntu 20.04 LTS は現在動作しますが、正式にはサポートされていません。
新しい Linux コンパイラには、新しい IR 最適化も含まれています。 これらの最適化により、実行時パフォーマンスが大幅に向上します。
新しい DCCLINUX64 のビルド時間は大幅に長くなります。 これは、新しい IR 最適化が有効になったことに加え、LLVM v20 バックエンド自体が LLVM v3.3 より複雑であることも一因です。
DCCLINUX64 の 32 ビット版と 64 ビット版はいずれも、Delphi アプリケーションの Linux 64 ビット ターゲットをサポートします。 Delphi の 64 ビット IDE では、Win64、Arm64EC、および Linux64 をターゲットにできるようになりました。
Delphi Windows Arm64EC の改善
このリリースでは、Delphi Windows Arm64EC コンパイラに、実行時パッケージをビルドして使用するためのサポートが追加されました。 以下のセクションでは、この機能と、プラットフォームに関するその他の重要な改善について詳しく説明します。
Windows Arm64EC の動的パッケージ
このリリースでは、新たに追加された WinArm64EC 用 Delphi コンパイラ DCCARM64EC に動的パッケージが実装されました。
WinArm64EC アプリケーションで、動的パッケージの作成と利用の両方が可能になりました。
静的リンク用の .dcu、.o、および .dcp ファイルは生成できたため、パッケージ自体は以前からサポートされていました。 この更新により、BPL に依存するアプリケーションや[実行時パッケージを使ってリンク]を有効にしたアプリケーションも、期待どおりに動作するようになりました。
WinArm64EC の主な利点の 1 つは x64 DLL を読み込めることですが、Arm64EC アプリケーションで x64 BPL を読み込むことはできません。 これは、DCC64 が歴史的に標準 ABI に準拠していないためです。 DCCARM64EC にも個別の ABI 不整合が残っている可能性はありますが、DCCARM64EC を標準 ABI に完全に準拠させることが目標です。 このため、現在の DCC64 コンパイラで生成された x64 BPL を Arm64EC アプリケーションでサポートすることはできません。
WinArm64EC のデフォルト メモリ マネージャとしての FastMM4
13.2 リリースでは、WinArm64EC 向けメモリ マネージャ rpmalloc の詳細な分析が行われました。
rpmalloc は UCRT メモリ マネージャと同等の割り当てパフォーマンスを維持しながら、再割り当て速度を大幅に向上させます。 一方、rpmalloc は高速であるものの、アプリケーションのメモリ使用量が増加し、メモリ リークのレポート機能は提供されません。
このリリースから、Win32 および Win64 のメモリ マネージャが WinArm64EC に移植され、新しいデフォルトになりました。 rpmalloc はオプションのメモリ マネージャとして引き続き利用でき、.dpr の uses 句の先頭に System.RPMalloc を追加することで有効にできます。
新しいユニット System.RPMalloc は、WinArm64EC と Linux64 で利用できます。
Windows Arm64EC の品質向上
Delphi Arm64EC コンパイラの特に重要な修正および強化を以下に示します:
- 例外処理を最適化することで WinArm64EC の浮動小数点パフォーマンスを改善し、Exp を約 25 倍高速化しました。
- RPmallocMM.inc を提供しました。
- インポートされた可変引数関数の呼び出しを追加しました。
- RTTI ベースの呼び出しロジックを追加しました。
- class var、class threadvar、ヘルパー、およびオープン配列のデバッグ情報を追加しました。
- 外部関数宣言で宣言された静的ライブラリについて、
.aファイルに加えて.libファイルのサポートを追加しました。 - Arm64EC 版の midas.dll を追加しました。
- ジェネリックを多用するコードのビルド時間を改善し、Spring4D で 20% の改善が測定されました。
- YieldProcessor 組み込み関数を実装しました。
- WinARM64EC で誤ったリソース文字列(.drc)ファイルが生成される問題を修正しました。
- .imp.o ファイルの不足によって発生する各種リンク エラーを修正しました。
WinArm64EC および Linux64 の並列コード生成
新しい LLVM バージョンと新しいオプティマイザで構築された、WinArm64EC および Linux64 向けの新世代 LLVM ベース Delphi コンパイラが、並列コード生成をサポートするようになりました。 並列コード生成によりビルド時間を大幅に短縮し、DDC64 に近いパフォーマンスを実現できます。
並列コード生成は、ユニット数の多いプロジェクト、特にリリース モードで最も効果を発揮します。 テストでは、すべての FMX ユニットを再ビルドした場合、デバッグ モードで 2 倍、リリース モードで 14 倍高速になることが示されました。
この機能は DCCLINUX64 と DCCARM64EC でのみ利用でき、デフォルトで有効になっています。 「メモリ不足」エラーのリスクを抑えるため、64 ビット版コンパイラでのみ有効です。
この機能は、32 ビット IDE および 32 ビット コマンドライン コンパイラの Linux では利用できません。 64 ビット IDE および 64 ビット コンパイラでのみ利用できます。
無効にするかスレッド数を制限するには、IDE オプションの コンパイルと実行 にある新しい[ワーカー数]フィールドを使用します。
並列コード生成を有効にする フィールドを使用して、プロジェクトごとに並列コード生成を無効にすることもできます。このフィールドは プロジェクト > オプション メニューにあります。
さらに、次のオプションを使用して、コマンドラインから並列コード生成を制御できます:
--parallel-codegen:auto automatically selects the number of worker threads. --parallel-codegen:none disables parallel code generation. --parallel-codegen:<N> uses the specified number of worker threads.
--parallel-codegen オプションが指定されていない場合、デフォルトで --parallel-codegen:auto が使用されます。
Delphi LLVM20 コンパイラのコード生成の改善
13.2 リリースでは、Delphi の LLVM コンパイラ ツールチェーンで大幅なパフォーマンス向上を実現できる新しい最適化が導入されました。 これらの変更は、LLVM 20 に更新されたコンパイラ(Windows ARM および Linux Intel)でのみ有効です。
以前は、これらのパスに適した IR を有効にしても、LLVM 3.x では IR の選択部分に必要な細かな最適化制御を行えませんでした。 LLVM バージョン 20 へのアップグレードと、それに伴う Delphi フロントエンドのリファクタリングにより LLVM 最適化を有効にできるようになり、Linux および Windows Arm64EC 上の Delphi アプリケーションの実行時パフォーマンスが大幅に向上します。
以下の画像は、リリース モードで実行時パフォーマンスが大幅に向上したテスト結果を示しています。
Windows:
Linux:
ビルド時間への影響は主にリリース モードで見られ、ビルド時間が約 34%~42% 増加します。 DCCARM64EC のデバッグ モードには変更ありません。
C++ Clang 20 コンパイラおよびツールチェーンの改善
このリリースでは、パッケージ ベースの開発の信頼性と予測可能性を高めることに重点を置き、C++Builder のパッケージ サポートを改善しました。 これらの変更では、パッケージの使用、ビルド動作、リンク、および IDE との統合に関する問題に対処しています。
さらに、このリリースでは Win64x で Delphi メモリ マネージャがサポートされました。 Win64x(Modern)C++ ターゲットは MSVC に準拠しているため、デフォルトで UCRT メモリ マネージャを使用します。 メモリ割り当てに関連するパフォーマンス問題を緩和するためのオプションとして、C++ から Delphi RTL メモリ マネージャへ明示的に切り替えることができます。 そのためには、次のようにメイン プロジェクトのソース ファイルで必要なシンボルを定義します:
int __CppUseDelphiMemMgr = 1;
IDE との BCC64X 統合の改善
RAD Studio 13.2 リリース以降、BCC64X は、bcc64x.exe コマンドライン ツールとしてだけでなく、インプロセス コンパイラ compclang201.dll としても利用できるようになりました。 これにより、ファイルおよび行単位の正確な進行状況、ソース ナビゲーションを備えた[メッセージ]ペインの構造化診断、迅速なキャンセル操作、および応答性の高い UI が実現します。
従来のコンパイラ DLL とは異なり、compclang201.dll は --jobs=N による並列コンパイルをサポートします。 BCC32C と BCC64 ではサブプロセスの起動によってこれを実装していたため、[C++ コンパイラを別プロセスで実行]オプションが必要で、IDE との統合が失われていました。 BCC64X は同じプロセス内のスレッドを使用するため、--jobs=N は bcc64x.exe と compclang201.dll の両方で、IDE との完全な統合を維持したまま動作します。 32 ビット IDE では「メモリ不足」エラーのリスクを抑えるため、Win64x の並列コンパイルを 4 スレッドに制限しますが、64 ビット IDE にはこの制限がありません。
ビルド中、[ビルド]ウィンドウには現在コンパイル中のファイルが表示され、並列コンパイルされているファイルには(+N)サフィックスが付き、すべてのファイルを合算した行数が表示されます。
品質の向上
このセクションでは、13.2 リリースに含まれる C++ Win64x および C++ パッケージの品質向上をいくつか示します。
- アイコン リソースを含む複数の .res ファイルをリンクする際の、アイコン グループ リソースの問題を修正しました。
- プロジェクト オプションの変更後に C++Builder で過剰な再ビルドが発生する問題を修正しました。
- クラッシュする代わりに、循環する
__property定義を拒否するようになりました。 - リソース/dfm ファイルのパス解決を修正しました。
- リンク時にパッケージ依存情報(.pdi)ファイルを自動生成するようになりました。
- 64 ビット ターゲットで設計時 C++ パッケージをビルドする際の問題を修正しました。
- 64 ビット IDE 用の C++ 設計時サンプル パッケージ dclbcbsmp を修正しました。
- Delphi ユニットを含む C++ パッケージのビルドを修正しました。
- 他のパッケージにある .pas ファイルを含む C++ パッケージを利用する際のエラー(_init_record<UnitName> エクスポートの不足が原因)を修正しました。
Delphi Android
RAD Studio 13.2 リリースには、Delphi Android に関する次の更新が含まれています:
- マニフェスト属性
miniSdkVersionのデフォルト値を23から24に引き上げました。 - インストーラと NDK の統合で同じバージョンを使用するように更新しました。
- Google AdMob ライブラリ(plays-services-ads)をバージョン
25.3.0に更新しました。 - Android Google Maps ライブラリ(plays-services-maps)をバージョン
20.0.0に更新しました。 - Android での年齢確認について、低レベルのプラットフォーム サポートを追加しました。
- プラットフォームの年齢確認 API(バージョン 0.0.4)にアクセスするための新しいユニット
Androidapi.JNI.PlayAgeSignalsを追加しました。
Android で年齢確認 API を使用する前に、アプリケーション > エンタイトルメント リスト オプション ページで、新しい[Age Signals Service]オプションを有効にする必要があります。
デバッガの改善
13.2 リリースには、C++ と Delphi のデバッガに対する複数の改善が含まれており、値の可視化、ローカル変数とウォッチの表示、および式の評価に重点が置かれています。
これらの変更により、std::optional、std::any、std::variant、std::tuple、STL イテレータなど、最新の C++ データ構造の検査が改善されるとともに、Variant、配列、インデックス付き/デフォルト プロパティ、および実行ポイントの信頼性に関する Delphi 64 ビットのデバッグ機能も強化されています。
さらにデバッガには、デバッグ対象のモジュールをユーザーが指定できるようになった プロジェクト > オプション > デバッガ の[シンボル テーブル]オプションなど、ワークフローとパフォーマンスに関する改善も複数含まれています。 また、スレッド名の例外処理が最適化され、IDE プロセスを不必要に中断しないようになりました。スレッド情報の収集は各スレッドの最上位フレームに限定され、プロセスの中断中に重複していたスレッド情報呼び出しも削除されています。 ユーザー定義の環境変数も、デバッグ プロセスに正しく渡されるようになりました。
シンボル情報の読み取りメカニズムも改善され、大規模プロジェクトでのデバッグ パフォーマンスが向上しました。 デバッガ全体の安定性も向上しています。
Delphi コンパイラのその他の変更
このリリースでは、Delphi コンパイラに選択的なコンパイラ最適化が導入されました。 従来のようにすべてを有効または無効にするのではなく、特定の最適化を有効にできる新しいコンパイラ指令が導入されています。
{$OPTIMIZATION <feature> ON|OFF}
現時点では、次の指令により、CMOV と IFCONV の 2 つの最適化についてのみ有効になります:
{$OPTIMIZATION CMOV ON|OFF}
{$OPTIMIZATION IFCONV ON|OFF}
ライブラリ
このセクションでは、RAD Studio ライブラリに対するすべての更新と改善について説明します。
新しい VCL コントロール
このリリースでは、新しい最新の VCL コントロールを 2 つ導入しました: TTabView と TNavigationView です。
TTabView コントロール
新しい TTabView コントロールは、TTabSet コントロール(引き続き利用可能)の新しいモダン版です。 このコントロールには、高度な機能を備えたタブ コレクションが含まれています。 外観は TFormTabsBar コントロールに似ていますが、さらに次の新機能が追加されています:
- タブには、フォームだけでなく、さまざまなコントロールを配置できます。
- 各タブには、画像、複数行テキスト、および閉じるボタンがあります。
- すべてのタブの一覧を含むドロップダウン メニューを表示するドロップダウン ボタンと、新しいタブを追加するボタンがあります。
- スクロール ボタンは、タブの左右に配置されます。
このコントロールは、Microsoft の WinUI TabView コントロールに似ています。 また、TTitleBarPanel と組み合わせて使用できます。
他のコントロールとの連携には、TabIndex プロパティ、OnInitTab や OnSelectTab などの固有のイベント、および次のようなタブ固有のプロパティを使用します:
- Data: TPointer
- Control: TControl
- Tag: Integer
TNavigationView コントロール(WinUI NavigationView と同様)は、任意の複数ページ コントロール、TFrame、またはページを持つサードパーティ製コントロールと組み合わせて使用できる、縦型項目コントロールです。
TNavigationView コントロールには、高度な機能を備えた縦型項目コレクションが含まれています。 項目は、固有のプロパティとイベントを使用して、TCardPanel コントロールなどのコントロールにリンクできます。 各項目には画像と複数行テキストを含めることができ、特定のイベントに応じて外観をカスタマイズできます。 項目はスクロールでき、ドラッグによって並べ替えることもできます。 コントロールの幅は、標準またはコンパクトのいずれかに設定できます。
この新しいコントロールを使用したデモの例を以下に示します:
FMX スタイル デザイナの拡張
このリリースでは、RAD Studio 13.1 で導入された FMX スタイル デザイナ機能に、幅広い新機能が追加されています。 ツール > FMX スタイル デザイナ から直接アクセスできます。
新機能のうち、特に重要な追加点は次のとおりです:
- VSF スタイルの読み込み:Bitmap Style Designer で生成された形式ファイルを読み込むことで、既存のスタイルを出発点として利用できます。
- サイズ セクションは 変数 セクションに名前が変更され、グローやシャドウの柔らかさなどのエフェクト プロパティに役立つ小数値をサポートします。
- 検索 タブでは、大規模なプロジェクトで色、スタイル、およびその他のリソースを名前ですばやく検索できます。
- プロジェクトをスキャンして次の問題を検出する スタイル分析ツール:
- 未使用の色、フォント、エフェクト、および画像。
- 存在しない要素への無効な参照。
- 重複するスタイル名。
- 空のスタイル名。
- ベクタ シェイプ要素に、既存の Rectangle に加えて Circle と Ellipse が追加されました。
- ビットマップ ベースのスタイルが望ましい、または必要となる場合に使用できる、ベクタ要素のラスタライズ オプション。
- 既存の Shadow に加えて、新しい Glow エフェクトを追加。
- 同じ要素に複数のエフェクトを組み合わせる機能をサポート。
- グラデーション カラー リソース。
- スタイルの Text および Icon プロパティで、エフェクトを直接設定できます。
- ワードラップ、配置、トリミングなどのテキスト パラメータを含む テキスト レイアウトの完全な制御。
FireMonkey の品質向上
このリリースには、FireMonkey に関する次の強化が含まれています:
- Skia4Delphi をバージョン 7.1.0 から 7.2.0 に更新しました。 この更新では、Windows 7 のサポートが復元され、Linux との互換性が拡大し、レンダリング パフォーマンスに関する修正も含まれています。
- Windows プラットフォームでアニメーションを使用する FireMonkey アプリケーションの応答性を見直し、強化しました。
- サポートする最小 API レベルを 24 以上に設定したアプリケーションでは、そのツールを呼び出す必要がないため、Android DEX コンパイラにクラスパスを渡さないようにしました。
FireDAC
このリリースには、FireDAC に関する次の更新が含まれています:
- PostgreSQL 18.4 をサポートするように FireDAC を更新しました。
- 接続パラメータ
offを追加しました。デフォルト値はoffです。 - Linux での Informix のサポートを追加しました。 Linux 上で FireDAC と Informix ODBC Driver を使用する方法の詳細については、Informix への接続ページを参照してください。
WebStencils とインターネット
次のセクションでは、13.2 リリースに含まれる WebStencils とインターネットの更新および強化を示します:
- WebStencils で、特定のパス(
@dataset.fields.<fieldname>)を使用して、データセットの TField 情報へ明示的にアクセスできるようになりました。 - 固有の ESocketTimeoutError 例外クラスを System.Net.Socket に追加しました。
- HTTPRequest の元の証明書コンテキストにアクセスするための IHTTPNativeAPI インターフェイスを追加しました。 Windows と Linux では、IHTTPRequest と IHTTPResponse によって実装されます。
- REST OAuth のサポートに、PKCE を使用した認可コード フローを追加しました。 これを実装するため、次の新しいプロパティが追加されました: TOAuth2Authenticator.UsePKCE / CodeVerifier。
- TWebFileDispatcher の URL 照合ロジック(固定パスと マスクの比較)が改善されました。パスが「
/」または空文字列の場合に適用されます。
RAD Server
このリリース以降、RAD Server 管理コンソールの列で username と groupname を並べ替えられるようになりました。
さらに、RAD Server 管理コンソールが HiDPI 対応に更新されました。