TControl 分岐
TControl 分岐は、TControl から派生したもののうち、TWinControl アプリケーションではないコンポーネントから構成されます。 TControl 分岐に属するクラスは、コントロール、つまり実行時にユーザーが表示し操作できるビジュアル コンポーネントです。 すべてのコントロールには、コントロールの表示に関係するプロパティ、メソッド、およびイベントがあります。たとえば、コントロールの位置、コントロールのウィンドウに関連付けられているカーソル、コントロールをペイントし、移動するメソッド、マウス動作に応答するイベントがあります。 ただし、TControl 分岐のコントロールは、キーボード入力を受け取りません。
TComponent がコンポーネントの動作を定義するのに対して、TControl はビジュアル コントロールの動作を定義します。 具体的には、描画ルーチン、標準イベント、包含関係などを定義します。
TControl には、すべてのコントロールが継承する多くのビジュアル プロパティが導入されています。 これには、Caption、Color、Font、HelpContext、HelpKeyword などが含まれます。 このようなプロパティは TControl から継承され、オブジェクト インスペクタ に表示されますが、該当するコントロール以外には公開されません。 たとえば、TImage の色は表示するグラフィックによって決まるので、TImage は Color プロパティを公開しません。 TControl には、Parent プロパティも導入されています。このプロパティで、コントロール(可視)を含む別のコントロールを指定します。
一般に TControl 分岐のクラスをグラフィック コントロールといいます。これは、クラスすべてが TControl の直下のオブジェクトである TGraphicControl から派生するためです。 これらのコントロールは実行時に表示されます(可視)が、グラフィック コントロールは自身のウィンドウを保持していません。 グラフィック コントロールはその代わりに、親ウィンドウを使用します。 このような制限があるため、グラフィック コントロールは、キーボード入力を受け取らず、他のコントロールの親コントロールになりません。 ただし、自身のウィンドウがないことから、グラフィック コントロールではシステム リソースの使用量が少なくなります。 TControl 分岐の多くのクラスに関する詳細は、「グラフィック コントロール」を参照してください。
TControl は、VCL(Windows のみ)アプリケーション用に設計されています。 多くのコントロールは、TControl から派生します。 Windows 専用のコントロールは、実装でネイティブの Windows API を使います。