プラットフォーム アシスタント サーバー アプリケーション: PAServer
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プラットフォーム アシスタント サーバー(別名 paserver)は、Windows や macOS、Linux 上にインストールできる、コマンドライン アプリケーションです。 開発システムと同じネットワーク内のリモート システムにプラットフォーム アシスタントをインストールして、RAD Studio とそのリモート システムがやり取りできるようにします。その結果、クロスプラットフォーム(マルチデバイス)アプリケーションを、macOS や iOS、Linux、Win64(これは Win32 開発システムからのもの)に対して、開発できるようになります。
プラットフォーム アシスタントにより、マルチデバイス アプリケーションの開発とアプリケーションのリモート デバッグが可能になります。
以下を行うには、プラットフォーム アシスタントを実行し、IDE に接続する必要があります。
- リモートでのマルチデバイス アプリケーションの実行とデバッグ(Win64、macOS、iOS、Linux)
- マルチデバイス アプリケーションの配置(Win64、macOS、iOS、Linux)
- RAD Studio に、macOS または iOS SDK のローカル コピーを追加します。これは、macOS、iOS、または iOS シミュレータ(Delphi のみ)に対して Delphi または C++ のアプリケーションを開発する上での前提条件です。
スクラッチ ディレクトリ
スクラッチ ディレクトリ(scratch-dir
)は、プラットフォーム アシスタントでプロジェクトの出力ファイルの保存に使用されるディレクトリのことです。この中に格納される可能性があるのは、実行可能ファイル、ライブラリ、構成ファイル、プロビジョニング ファイル、画像、アイコンのほか、アプリケーションの実行時、デバッグ時、配置時に生成される可能性のあるあらゆる種類のファイルです。
scratch-dir は、デフォルトで以下の場所にあります。
/Users/yourname/PAServer/scratch-dir
出力ファイルはプロファイル固有のフォルダに保存され、そのフォルダ名はユーザー名と接続ファイル名から成ります。以下に例を示します。
scratch-dir\Username-ConnectionProfileName
カスタム パスを指定して、スクラッチ ディレクトリとして使用することができます。「プラットフォーム アシスタントのオプションの設定」を参照してください。
プラットフォーム アシスタントのコマンドライン ヘルプ
オンライン ヘルプを表示するには、以下の 2 とおりの方法があります。
- PAServer を実行して、ヘルプ画面のみ表示する(paserver はヘルプの表示後終了する)
- PAServer の稼働中に h コマンドを使用する
ヘルプ画面を表示する
プラットフォーム アシスタントのヘルプ画面を表示するには、以下のように、コマンド ラインで paserver を実行する際に -help
スイッチを渡します。
macOS:
MacOS username $ ./paserver -help
Windows の場合:
> paserver -help
Linux:
$ ./paserver -help
paserver のヘルプ画面を以下に示します。
Platform Assistant Server Copyright Embarcadero Technologies, Inc. Usage: paserver [options>] where <options> include: -port=<nnnnn> Specify the port number, default=64211 -scratchdir=<dir> Specify the parent directory for client temporary files -libextension=<cmd> Specify the dynamic library extensions, default=,dylib, h -tarcommand=<cmd> Specify the path for tar binary, default=/usr/bin/tar -debuglauncher=<app> Specify the debugger launcher application -devicetimeout=<n> Specify the device connection timeout, in seconds, default=10 -nopermissioncheck Do not attempt to acquire permission to support debugging -unrestricted Allow put and remove file(s) operation outside client temporary files directory, default is not allowed -password=<text> Specify the remote profile login password, default is to prompt for the login password -passfile=<file> Specify the remote profile login passfile, default is to prompt for the login password -config=<file> Specify the default settings -help Print this help screen
paserver の実行中にヘルプを表示する
プラットフォーム アシスタントを開始した後、h
(help)コマンドを使用して、使用可能なコマンドの詳細リストを表示させることができます。例:
> h q - stop the server c - print all clients p - print port number i - print available IP addresses s - print scratch directory g - generate login passfile v - toggle verbose mode r - reset, terminate all child processes >
表示されたオプション以外のオプションを使用するには、PAServer をいったん終了し再起動する必要があります。
詳細については、「プラットフォーム アシスタントのオプションの設定」を参照してください。
接続に関する事項
- 開発システムとプラットフォーム アシスタント サーバーが稼働しているマシンとの接続をテストするには、[ツール|オプション...|環境オプション|接続プロファイル マネージャ]ページの[接続テスト]ボタンを使用します。手順については、「開発用 PC で接続プロファイルを作成およびテストする」を参照してください。
- "プラットフォーム アシスタント サーバーのバージョンが一致しません。バージョン 'xxx' が必要です" のメッセージに関係する "接続が拒否されました" のエラー メッセージが出力された場合は、リモート システムにインストールされているプラットフォーム アシスタントを、エラー メッセージに指定されているバージョンに更新します。リモート システムでプラットフォーム アシスタントを実行すると、そのバージョン番号がバナーに表示されます。
- 「デバッグをサポートする権限を取得しています...」のメッセージや macOS アプリケーションのデバッグ時の問題については、「Mac 上でのデバッグをサポートする権限の取得」を参照してください。
- 64 ビット Windows システムに接続しようとしたときの Windows ファイアウォールのメッセージについては。
関連トピック
- Windows でのインストール
- Windows での実行
- Mac でのインストール
- Mac での実行
- Mac での PAServer マネージャのインストール
- Mac での PAServer マネージャの実行
- Mac 上でのデバッグをサポートする権限の取得
- オプションの設定
- エラー:インデックス