IDE におけるトランスレーション マネージャ

提供: RAD Studio
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トランスレーション マネージャを使用したアプリケーションのローカライズ:インデックス への移動


トランスレーション ツール

RAD Studio には、Win32 アプリケーションを、異なるロケール用に開発(ローカライズ支援)するトランスレーション ツール スイートが付属しています。

このトランスレーション ツールは、Delphi と C++ の両方に提供されています。VCL フォーム アプリケーション、Win32 コンソール アプリケーション、パッケージ、DLL で利用できます。

トランスレーション ツールは 2 つの形で提供されています。

  • 統合トランスレーション マネージャITM) - IDE の一部で、プロジェクトをローカライズするためのものです。ITM を使って、既存プロジェクトをローカライズしたプロジェクトを作成することができます。統合トランスレーション マネージャには以下の機能が含まれます。
    • [リソース DLL ウィザード] -- 選択した言語用にリソース DLL プロジェクトを生成します。[リソース DLL ウィザード]を開くには、[ファイル|新規作成|その他...|Delphi プロジェクト(または C++Builder プロジェクト|リソース DLL ウィザード]または[プロジェクト|言語|追加...]を選択します。
    • [トランスレーション エディタ] -- 選択したリソースを表示するテーブルです。リソース文字列の表示、編集、翻訳を行うことができます。[表示|トランスレーション マネージャ|トランスレーション エディタ]を選択すると開きます。
    • [トランスレーション リポジトリ] -- 文字列リソースの翻訳を一元管理するデータベースです。複数のプロジェクトにまたがって、あるいは異なる開発者間で、共有することができます。[表示|トランスレーション マネージャ|トランスレーション リポジトリ]を選択すると開きます。
    • [トランスレーション ツール オプション] -- ITM の構成オプションには、[ツール|オプション...|トランスレーション ツール オプション]を選択してアクセスすることができます。
  • 外部トランスレーション マネージャETM) - IDE を使わないでプロジェクトをローカライズするために設定して使用することができる、スタンドアロン アプリケーションです。ETM の機能は[トランスレーション エディタ]とよく似ていますが、メニューやツールバーがいくつか追加されています。ETM で新しいプロジェクトを作成することはできませんが、既存プロジェクトのインポートは可能です。また ETM は、インポートされたプロジェクトの文字列リソースを翻訳するために必要なツールを提供しており、翻訳したリソースが含まれるローカライズ済みプロジェクトをエクスポートすることができます。ETM には以下の機能が含まれます。
    • 外部トランスレーション マネージャ アプリケーション -- プロジェクトをインポートしてローカライズ済みプロジェクトをエクスポートするツールを提供する、スタンドアロンの環境です。ETM では、DFM などのファイルを対象に、既存のローカライズ済みプロジェクトの文字列リソースを処理します。ETM には選択したリソースを示すテーブルが含まれます。このテーブルで、リソース文字列の表示、編集、翻訳を行うことができます。
    • [トランスレーション リポジトリ] -- ITM で使用するものと同じ、文字列リソースの翻訳を含むデータベースです。ETM アプリケーションから[トランスレーション リポジトリ]を開くことができます。

[リソース DLL ウィザード]

[トランスレーション エディタ]を使用するには、まず、リソースを翻訳する先の言語をプロジェクトに追加する必要があります。 言語を追加するには、リソース DLL ウィザードを開きます。 ファイル > 新規作成 > その他... > Delphi プロジェクト(または、C++Builder プロジェクト > リソース DLL ウィザード を選択します。[リソース DLL ウィザード]は、追加した言語それぞれに対してリソース DLL プロジェクトを作成します。 ローカライズ済みリソース DLL の作成も参照してください。

[リソース DLL ウィザード]を使用すると、IDE は関知しないけれども翻訳に必要な余分のリソース ファイルを、リソース DLL プロジェクトに追加することができます。.dfm.rc などのリソース ファイルです。プロジェクトへの新しいリソース DLL プロジェクト(言語)の追加や削除は、任意の時点で行うことができます。IDE でいくつものプロジェクトを開いている場合は、複数を一度に処理できます。

ヒント: [プロジェクト|言語|追加...]メニュー コマンドを選択して[言語の追加]ダイアログ ボックスを開くこともできます。[言語の追加]は、[リソース DLL ウィザード]と似た機能を提供します。
ヒント: このドキュメントでリソース モジュールと言う場合には、リソース DLL プロジェクトのことを指します。

[トランスレーション エディタ]

リソース モジュールをプロジェクトに追加したら、[トランスレーション エディタ]を使用して、VCL フォームやリソース文字列を表示したり編集することができます。翻訳を変更したら、アプリケーションのリソース モジュールをすべて更新することができます。

[トランスレーション リポジトリ]

[トランスレーション リポジトリ]は、複数の開発者がプロジェクトをまたがって共有できる翻訳用のデータベースです。[トランスレーション エディタ]で作業をしながら、翻訳した文字列を[トランスレーション リポジトリ]に保存したり、翻訳済みの文字列を[トランスレーション リポジトリ]から取得することができます。

デフォルトでは、リソース モジュールを更新するたびに、[トランスレーション リポジトリ]のデータベース内に存在する該当文字列の翻訳がリソース モジュールに含められます。また、[トランスレーション リポジトリ]独自のインターフェイスを利用してそのデータに直接アクセスし、翻訳データベースに格納された文字列を検索、編集、または削除することができます。

[トランスレーション リポジトリ]は、拡張子が .tmx の XML 形式のファイルにデータを格納します。

デフォルトでは、[トランスレーション リポジトリ]のデータベース ファイルは default.tmx という名前で、RAD Studio\bin ディレクトリに置かれます。このファイルは[オプション]ダイアログ ボックスのトランスレーション リポジトリのページ( [ツール|オプション...|トランスレーション ツール オプション|リポジトリ]をクリック)で変更することができます。[トランスレーション リポジトリ]の[開く...]ツールバー アイコンをクリックして、他の翻訳データベース ファイルを明示的に開くこともできます。

トランスレーション ツールによって生成されるファイル

トランスレーション ツールによって生成されるファイルには、以下のものがあります。

ファイル拡張子 説明

.dfm

このトランスレーション ツールでは、アプリケーションのフォームごと、ターゲット言語ごとに、別々の .dfm フォーム ファイルを保持します。これらのファイルには、[トランスレーション エディタ]に表示されるデータ(翻訳済みの文字列など)が含まれています。

.rc

[リソース DLL ウィザード]は、コンパイラが生成した .drc ファイルを使用して、ターゲット言語ごとに .rc ファイルを作成します。この .rc ファイルには、コードの resourcestring セクションで文字列定数として宣言された文字列リソースが含まれます。

.tmx

[トランスレーション リポジトリ]は .tmx ファイルにデータを格納します。複数の .tmx ファイルを保存することで、複数のリポジトリを維持管理できます。

.bdsproj

トランスレーション マネージャは、翻訳対象言語のリソース DLL プロジェクトを .bdsproj プロジェクト ファイルに格納します。サードパーティの翻訳者がリソース DLL プロジェクトに含まれるリソースを翻訳する場合には、翻訳者は開発者からこの .bdsproj プロジェクト ファイル(とリソース DLL プロジェクトのサブディレクトリに含まれる .dfm フォームや .rc リソースなどのファイル)を受け取り、翻訳済みのファイルを開発者に返します。

メモ: これらのファイルのいずれも手動で編集してはなりません。

トピック

関連項目